その大阪商人的資格ビジネスの技法においては、私も敬服していた日本FP協会でしたが、とんでもない不祥事を起こしました。
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不祥事(というか犯罪)内容***************
NPO「日本FP協会」元幹部逮捕 550万円着服容疑
2007年02月28日15時15分
NPO法人「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」(日本FP協会、東京都港区)の元幹部が、取引先との水増し取引で550万円の損害を与えていた疑いが強まり、
東京地検特捜部は28日午前、元日本FP協会理事兼事務局長の作田佳一容疑者(60)を背任容疑で逮捕した。
調べによると、作田元理事は02年5月から03年5月の間に、印刷業者に広報用リーフレットの印刷を9回発注した際、正規の代金に自分の利得にするための計550万円を上乗せした計1961万円を請求させた。そのうえで、日本FP協会の事務局経理担当職員にその金額を支払わせ、550万円を着服。同協会に損害を与えた疑いが持たれている。
(参考)今回、捜査に入った
東京地検特捜部とは、正式名称を「東京地方検察庁特別捜査部」という。特別捜査部は、東京、名古屋、大阪の地方検察庁にのみ置かれた組織で、大きな経済事案や政財界を巻き込んだ疑惑など高度な法律知識を有するケースを扱うことが多い。(特捜部扱いということは、検察が「額(ひたい)に汗して働いている人々、法令を遵守して経済活動を行っている企業などが、出し抜かれ、不公正がまかり通る社会にしてはならない」という認識の下、社会正儀の実現のために取り上げなければならない悪質重要案件であるということの証左である)
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国家資格者個人の犯罪は、昨今いろいろ耳にしますが、国家資格の認定団体の役員(単なる下級職員でなく…)が、犯罪を犯すというのは、未だ聞いたことがありません。
以前も書きましたが、資格を認定しているような団体は、大体天下りの官僚体質で、殿様商売・商売下手な場合が多いのですが、日本FP協会という団体は別。ビジネスに対する嗅覚が、鋭敏です。商売下手な資格教育スクールなど足元にも及ばないビジネスセンスがあるという点では一目置いていましたが、今回のこの事件は酷すぎる。(資格教育スクールがイカサマ大学設置していたのより酷い!!)
この団体の利益優先体質には危ういものを感じていましたが、今回一番悪い形で膿が噴出しました。「資格」なんてものは、みんなの「信用」の上に成り立っているビジネスです。それをこの団体は、自ら崩してしまいました。結局のところ、みんなから集めた国家試験の受験料で、この団体の役員は私腹を肥やしていたのです。民間資格であれば、まあ最初からいい加減であることは、受験者もある程度は承知の上という面もあるでしょうが、国家資格では、受験者もいい加減とは考えていないのでその受験料で私腹を肥やすとは言語道断。やはりこの団体には、あざとい民間資格ビジネスがお似合いだったのでしょう。
こんな低レベルの事件を、それも役員が中心となって起こすようでは、この団体のモラル・内部統制・コンプライアンスは機能不全といえるのではないか。(…というより、お金に携わる専門家である「FP」の集まった団体で、こんな零細企業ですらあり得ないような、分かりやすい不正が行われるということは、常識では考えられないでしょう。内部統制の機能不全というよりは、組織ぐるみの不正であると推測するのが適当でしょう。万一組織ぐるみの不正でないとすると、この団体は、「FP」が雁首そろえて、自分の団体のこんな低レベルな不正さえ、長年に渡って気付く事すら出来ない無能集団であるということを、逆証明してしまうことになります。まあ、どっちに転んでもFPの面汚しだね!!)
こんな団体が、よくわからん民間資格はまだしも、国家資格の試験を実施する団体として本当に適格性があるのだろうか?
厚生労働省は、今一度見直す必要があるのではないだろうか。
そして、こんな不祥事があったにもかかわらず、この団体はなんら情報開示せず、HPのお詫び文書一枚で問題をうやむやにしようとしている。到底危機管理能力があるとは思えない。
他の企業の不祥事をみるまでもなく、NPO法人という特典まで得ている社会的責任のある団体の役員が、犯罪を行うということは、この団体ぐるみの組織犯罪であると思われてもしょうがない事態である。本当に再発を防止できる体制の担保/第三者による調査/過去の不正の総ざらえ/現執行部の総退陣・刷新ぐらいはして当然ではないのか?(当該役員の個人的犯罪として終息させようと必死だが、このままでは何の納得性も感じられないし、この団体の自浄能力も認められない。この団体の体質が問われているのだ!)
今回のこの団体の犯罪で、いよいよ国民のFPという資格の信頼性は、揺らいだと言っても過言ではない。
(業界関係者は知らないが、
一般の国民にとって見れば、こんないい加減な団体の認定する資格なんて信用できますか?例えば、日興コーディアルはFAという社内資格を認定していますが、あんないい加減な体質の会社の認定するFAなんてものを信頼しますか?また、あなたは「不二家のミルキーは、問題の工場と違う工場だから安心ですよ」と言われて、企業として何の改善もしないうちから、信頼できますか?)
私の持論でもあるが、FP資格の信頼性の回復の為にも、せめて、国家資格であるFP技能士を、金融業界のFP業務における必置資格にすべきではないかという思いを新たにしました。
(なんといってもイマドキ、こんなにインチキくさいカタカナ・横文字資格が林立している業界は、FP業界か・心理カウンセリング業界か・美容業界ぐらいです。いち早く不動産業界なら宅建…のようにスッキリしたいものです。そうしないと何時までもFPという職業はイカサマ・ペテン師のようなイメージのままです。全くこのFP協会のせいでFPなどと名乗るのも恥ずかしいぞ!)
<コラム>もし宅建が無かったら!もし、不動産業界に国家資格の必置資格「宅建主任者」制度が存在せず、「A宅健・C宅健・不動産アドバイザー・不動産ディレクター…etc」といった、どれが上で、どれが下かも分からない、インチキくさい資格者がひしめいていたら、あなたは不動産を契約するとき誰を頼ればいいですか?どうしますか?
いま、FP業界はこういう状況ですよ!つまらない業界内でのつばぜり合いでなく、国民(利用者)の目線に立って、業界として国家資格の必置資格をそろそろ決定しないと、だれも自分のファイナンシャルプランを託すなんて事はできないのではないですか?


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- 2007/03/10(土) 00:16:20|
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