<途絶えた養育費「あれば暮らし違った」 夢あきらめ、家計切り詰め…ひとり親女性の10年> 2022/6/8 神戸新聞NEXT
全国で140万世帯に上るひとり親世帯。その多くを占める母子世帯が、離婚した夫から養育費を受け取っている割合はわずか24%にとどまるという。神戸市で高校2年の長女(16)を育てる女性(46)が受け取る養育費も、離婚後間もなく途切れた。不払いは10年で計約600万円に上る。(上田勇紀)
■突然の別れ
女性はIT会社に勤めていた28歳のとき、3歳年下の男性と結婚し、同市内の女性の実家で暮らした。退職し、30歳で長女を出産。子育てにいそしんだ。
離婚は36歳のときだった。「もう別れたい」。夫が突然、そう告げた。頭が真っ白になったが、「好きでも嫌いでもなくなった」という言葉に「争う気もなくなり、気持ちが切れた」。6歳の娘は女性が引き取った。
離婚の手続きを終え、夫が出て行く日。リビングの机に「いままでありがとう」と置き手紙があった。娘には「またあそぼうね」。わずか2行の文面に、涙の跡があった。
■我慢の日々
元夫は月5万円の養育費を、娘が学生の間まで振り込むと約束。公正証書を作成して取り決めた。半年間は振り込まれていたが、その後は途切れがちに。離婚して約1年4カ月以降は、完全に止まった。
元夫は会社を辞め、九州に転居した。だが、教わった住所に手紙を送っても届かず、連絡は途絶えた。元夫の実家に尋ねても、「こっちにも生活がある」として取り合ってもらえなかった。裁判などは負担が大きく、二の足を踏んだ。
その後の女性の暮らしは厳しかった。女性は当時、お菓子づくり教室を開く夢に向けてホテルの製菓部門で働いていたが、朝が早く、子育てを優先して退職。ハローワークに通い、神戸市の電機製造会社で派遣社員として働き始めた。
手取りは月約12万円。両親との実家暮らしのため、家賃の支払いはなかったが、娘の将来のために年100万円の貯金が必要と考え、家計を切り詰めた。スーパーで割引された食材を選んで買った。肉は鶏と豚だけ。週末もお金のかかるレジャーは行かない。自分のためのものは、基本的に買わなかった。
所得が一定以下のひとり親世帯に向けた児童扶養手当などは全て貯金に回した。苦しくても、両親に頼るのは嫌だった。娘の習い事などで教育費がかさむようになり、「喉から手が出るほど、お金がほしかった」と振り返る。
■「宝物」
女性は転職活動を続け、42歳で大阪市の中小企業に正社員として採用された。次第に「自分のようなひとり親をサポートできる仕事がしたい」と思い描くようになり、働きながらキャリアコンサルタントの資格を取得した。
新型コロナウイルス禍で、正社員として総合人材サービス・パソナグループのひとり親向け採用に合格。昨年12月から兵庫県淡路市の職場に通う。
女性には「宝物」がある。高校入試を前に、長女が将来の夢を描いたメモだ。
「私には心からほこれる母がいます。母は、仕事で失敗してもつらくても、絶対、私の前で泣いたり、あきらめるようなことはしません」「私もそんな風に一生懸命働き、誰かに尊敬されるような人になりたいと思うようになりました」(一部抜粋)
女性は「娘の成長がうれしい」と喜ぶ。その上で「養育費があれば、暮らしは違っていた。支払う責任から、逃げられる世の中はおかしい。多くのひとり親世帯が苦しむ問題に目を向けてほしい」と訴えた。
◇
■養育費受け取る母子世帯24・3%、不払い解消へ本腰
厚生労働省が約5年ごとに行う「全国ひとり親世帯等調査」(2016年度)によると、全国で母子世帯は123・2万世帯、父子世帯は18・7万世帯。ひとり親世帯の9割を母子世帯が占める。
母子世帯で、母自身の平均年収は243万円。同居親族を含む世帯平均年収も348万円で、児童がいる世帯平均の半分にとどまる。母子世帯の母の預貯金額は、50万円未満が4割を占めた。元夫からの養育費は「現在も受けている」が24・3%。前回調査より4・6ポイント増えたが、依然低い。
国は21年、家族法制の見直しを法制審議会に諮問し、養育費不払いの解消策などを検討している。兵庫県明石市は22年度、支払い義務のある親に市が働きかけ、それでも支払わない場合に市が3カ月分を立て替える支援策の準備を進めている。
宝塚市も同年度、離婚や養育費を取り決める調停手続きをする際などの費用を助成する制度を設けた。同市の担当者は「支払いが口約束で終わらないよう、公正証書作成などを支援するところから始めたい」としている。
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「子の権利」とかキレイ事を並べて悦に入るのもよいが・・・
いい加減日本の法曹・行政も~
「子の貧困が・・・」
「シングルマザーの貧困が・・・」
~と十年一日の如く、思考停止したかのように同じ事ばかり言っていないで、養育費をクズ親父から取り立てる実効性のある手段を考えたらどうなのかね?
後先考えないで、セックスして子供作って、イヤになったら離婚して放り出して、養育費すら払わない「クズ人間」。
いい加減こんなクズ人間どもを、のさばらしておくのは、どうなのか?
昨今、口を開けば~
「コンプライアンスだ・・・」
「人権だ・・・」
「子どもの権利だ・・・」
「安心、安全だ・・・」
~なんて耳障りの良いキレイ事は、聞き飽きるくらいに語られます。
しかしながら、離婚した母子家庭の「7割以上が養育費を受け取っていない」・・・
こんな先進国どこにもないでしょうね。
本当に、自分の子供に対する日本の男の「狡さ」「クズさ」にはアキれ果てるしかありません。
そもそも比較的離婚率の低い日本で、子供もいるのに離婚するような男!
↓
この時点で“クズ”ですから、放っておいたら“養育費”なんか払うワケありません。
子供がいるのに離婚するような「男気」・「人情」のカケラも無い「クズ人間」を前提として”養育費を取り立てる”実効性のある制度を、もういい加減日本では作るべきでしょう。
少なくとも、現在の養育費を取り巻く制度や運用は、その対象が「マトモな社会性のある人間」であることを前提としおり、その上「性善説」に則っています。
しかしながら、そもそも現在の日本では子供がいるのに「躊躇なく離婚する」ような男は、事実上大半が「クズ」ですから・・・ (クズの証拠に7割以上が養育費払いません。)
相手がクズであることを前提に、制度を設計・運用しないとイケマセンね。
(被害者側とはいえ、クズ旦那と結婚する側の奥さんもあまりマトモな社会性ある人間でないことも多いでしょうから・・・請求する側にとっても難しい制度では実効性が在りませんから!)
・例えば次のように~
①子供がいるのに離婚をする場合は、養育費は必ず決定し、支払日も決めておく。
②支払日に支払わない場合、給与・本人の銀行口座等から速やかに差し押さえ徴収する。(くだらない法的手続きなしに!)
③実効性をより担保するために、そのようなクズは、公的にその事実をネットで公開する。
~離婚したら「俺シラネ・・・!!」って、自分の子供の養育費すら払わないような「チンパンジー以下のクズ」相手なのですから、このような手段をとれるようにしておかなければ、今後も一向に改善されることは、ないでしょう。

日本でも少しづつ変化の兆しはありますが・・・
日本の行政や法曹も、もっと柔軟に、もっとスピード感を持って、本当に救うべき対象の為に制度設計・運用を考えてほしいものです。クズはクズなので、マトモな人間として性善説で扱っても、ロクなことにはなりません!
↓
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<大きく後れを取る日本の養育費制度、海外では給与から天引き徴収も> ※女性セブン2020年2月13日号
※離婚後の子の養育に関する各国の動き

「こんなひどい国は先進国で日本だけ」――これは、養育費の未払い問題に関する兵庫県明石市の泉房穂市長の発言だ。日本では母子家庭で養育費を受け取っている割合は24.3%に過ぎない現実がある(厚生労働省『平成28年度全国ひとり親世帯等調査』より)。
だが、16年ぶりに最高裁判所が養育費算定表を改定、新算定表では増額傾向となり、また、自治体が回収代行や公文書作成費用補償などの支援開始を準備始めた例もある。明石市もそうだ。はたして日本は「ひどい」のか。確かにOECD(経済協力開発機構)の調べによると、日本のひとり親世帯の相対性貧困率は54.6%と、先進国の中では群を抜いて高い。
アメリカ、イギリス、オーストラリアでは養育費を給与から天引きして強制的に徴収するほか、フランスやスウェーデンでは国が立て替えている。韓国では、受取率が17%くらいしかなかったのが、2015年3月からアジア初の養育費確保の支援機関ができて、養育費回収率が33%程度にまで上がった。
滞納した場合は、不払い者の運転免許の停止やパスポートの停止など、厳しいペナルティーが待っている。なかでもアメリカでは不払いの親がピザを注文した場合、宅配されたピザの箱に顔写真付きで「養育費を払いなさい」と書かれた紙が貼られることもあり、韓国では「バッドファーザーズ」として、不払いの親の身元をネット公開することが“公益のため”とされているほど。
「養育費も面会交流も子供の権利だという意識が徹底されています。義務教育と同じ扱いで、国は無償で保障しなければならない。だからそこに税金を使ってもいいという国民の同意があるんです。面会交流施設も身近にあって、元夫婦が顔を合わせなくても安全に面会できます。
日本は、まだまだ離婚は当事者が悪い、という個人責任論が多い。養育費を支払うのは親の義務という教育と、それをサポートする国の体制づくりが必要だと思います」(離婚問題に詳しい榊原富士子弁護士)
ただ、諸外国と比較すると、離婚後も父母両方が子供に対する親権を持つ「共同親権」が導入されている点が、「単独親権」をとる日本とは大きく異なる。2019年11月22日には、親権を失った親が子供との交流を絶たれるのは違憲だとし、別居親らが東京地裁に集団訴訟を行った。
子の養育に必要なことは何か──少しずつではあるが、潮目は変わり始めている。
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<養育費不払い 日本は"ひどい"国なの?> NHK生活情報ブログ (※2019年10月11日にNHK News Up に掲載されました。)
たとえ離婚したとしても、子どもには苦労をさせたくない。
こう思う親は多いのではないでしょうか。
でも現実は離婚した母子家庭の子どもは、4人に3人の割合で養育費を受け取れていません。ある自治体は「多くのひとり親家庭が離婚後、貧困に直面する。こんなにひどい国は先進国で日本だけだ」として、養育費を支払っていない親の名前の公表を検討し始めました。
ネット上では“歓迎”“やりすぎ”などと議論が巻き起こっています。
なぜこうした状況が長年続いているのか。
取材で見えてきたのは、置き去りにされた「子どもの権利」でした。
神戸放送局記者 安土直輝
ネットワーク報道部記者 有吉桃子
歓迎?それとも、やりすぎ?
兵庫県明石市が明らかにした新たな制度案。
裁判などで養育費の金額が確定しているのに子どもの養育費を支払ってもらっていないひとり親に代わり、市がもう一方の親に「勧告」や「命令」を出します。
それでも支払わない場合にはホームページなどで名前の公表や過料を科すことまで検討しています。
これについてネット上では“歓迎”とか“妥当”といった人がいた一方、“やりすぎだ”とか“公表しても払わない人は払わない”と疑問を投げかける声があがりました。
「関わりたくない」と諦め 貯蓄取り崩す生活に
そもそも養育費は本来、子どもが受け取るべき権利です。
離婚をして子どもと離れても毎月、養育費を送り続ける人がいる一方、目を疑うような驚きの数字が報告されています。
厚生労働省の調査で、母子家庭で養育費の支払いを受けているのは24.3%。
実に4人に3人の子どもの権利が、ないがしろにされているといっていい状況になっているのです。
いったい、どういうことなのか。
養育費を受け取ったことがないという、ある母親を訪ねました。
関東在住のA子(仮名)さん(30代)。2年前に離婚し5歳の男の子を育てていますが、元夫からは養育費を全く受け取れず、非正規の仕事を2つ掛け持ちしています。
体調を崩しがちなうえ、発達障害がある子どもを病院や療育(発達支援のための施設)に連れて行かなければなりません。
そのため仕事を休むことも多く、年収は200万円以下。貯金を取り崩しながら何とか生活しているといいます。
「本当にぎりぎりでやっていて、どうしようって思いながら暮らしています。具合が悪いときもできる範囲でちょこっとでも仕事を頑張って、少しでもマイナスを減らす感じです」(A子さん)
元夫は、生活費を入れなかったりA子さんに暴言を吐いたりといったDVを繰り返していたそうです。
離婚を切り出すと親権や子どもとの面会交流、財産分与を求めて次々と調停や審判などを申し立て「母親失格だ」「人格に問題がある」などと執ように攻撃してきたといいます。
「これ以上、関わりたくない」という思いが強くなったA子さん。
「裁判になっても十分な養育費をもらえるか分からず、DVの影響で体調が悪く、かかる手間や費用を考えると諦めざるをえなかった」と振り返ります。
将来について尋ねると「正直、あんまり先が見えません。大学とか行かせてあげられるかも分からないし」と不安を口にしました。
取り決めがあっても支払われない
調停や裁判で取り決めをしたにもかかわらず、養育費を受け取れないケースもあります。
都内に住むB子さん(30代)は実家に身を寄せ、2歳の子どもを育てています。B子さんによると自営業の夫はお金や女性にだらしなく同居中も生活費を払わなかったそうで、離婚について裁判で争うことにしています。
離婚調停では別居中の生活費など「婚姻費用」を夫に支払うよう求める決定が出されましたが、従ったのは1度きり。すぐに不払いになりました。
裁判所に給料の差し押さえを申し立てたB子さん。すると夫は月額の収入を10万円引き下げて申告し、養育費の算定額を引き下げようとする姿勢が見られるといいます。
さらに、相談した弁護士の中には「自営業の人からは養育費などはなかなか取れないケースが多い」と言われ、裁判を諦めるよう促されたことさえあったといいます。
「子どもを1人で育てていくのは不安で、少しでもお金が欲しいです。でも結局『お金がない』と言う人からは取れないし、裁判で勝っても踏み倒されたらまた申し立てをしなければいけない。差し押さえをするにも財産のありかが分からなければ手出しできません」(B子さん)
“面倒だから”という人まで
離婚問題に詳しい榊原富士子弁護士は、次のように指摘します。
「義務があるのに悪意で払わない人や、離婚前に話をせず払わなくてよいものだと思っている人など、さまざまです。子どもとの面会がないことで支払いが途絶えるケースや、再婚するなどして支払いが苦しくなり減額の申し立てが面倒だからと支払わなくなるケース。裁判をしても法廷に来ない、離婚も成立しないといった事例もあります。それぞれのケースに合わせたこまやかなサポートが必要です」(榊原弁護士)
“こんなにひどい国は先進国で日本だけ”
明石市ではこれまでにも養育費の不払い対策に力を入れてきました。
▽離婚を決めた夫婦に養育費に関する取り組みを促す書類の配布
▽弁護士資格を持つ職員が裁判所に同行
▽(養育費の立て替えや回収を行う)保証会社との契約費用の一部補助
こうした対策は、どれも全国的に珍しい取り組みです。
行政が動いたことで支払いに応じたケースもありましたが、未払いを続けるケースもあり完全な解決には至っていません。
養育費の現状について明石市の泉市長は「両親は別れることを考えるので精いっぱいで、子どもの養育費の問題は放置されている。結果、多くの家庭が離婚後、貧困に直面する。4人に1人以下の子どもしか養育費を受け取っていない。こんなにひどい国は先進国で日本だけだ」と厳しい口調で指摘しました。
“こんなにひどい国”という泉市長の発言、欧米などでは子どもの権利を第一に大胆な取り組みが行われているからです。
海外では… “天引き”で強制的に徴収
アメリカやイギリス、オーストラリアでは国(アメリカの場合、州政府が行うことも)が養育費を給与から天引きして強制的に徴収するほか、フランスやスウェーデンでは親が支払わない場合に、国が立て替える制度があります。
滞納した場合には、運転免許の停止やパスポートの発行を拒否するといった対応を取っているケースまであるのです。
宅配ピザで支払い要求も
泉市長によると、氏名の公表だけでなく顔写真まで公表されているケースすらあるといいます。
アメリカでは、未払いの親がピザを注文した場合、宅配されたピザの箱に顔写真付きで「養育費を払いなさい」と紙が貼られて届く場合があるということです。
「養育費を払わず、おいしいピザを食べている場合ではないよね」と支払いを強く求めるそうです。
泉市長は、日本もこうした諸外国の制度に近づける必要があるとして、不払いの人の名前をホームページで公表する検討を始めました。
プライバシーの保護や子どもへの影響があるのでは、という指摘には「それは重々承知しているし、公表によって子どもが傷つくのは本末転倒。公表にあたっては、子どもの同意を得るなど子どもの利益に沿う形での運用が不可欠だ」と話しています。
さらに、民事執行法の改正で来年4月から不払いを続ける親の銀行口座や勤務先などの情報を裁判所が照会できるようになるのに合わせ、給与差し押さえの手続きの支援や過料の支払いを求めるなどする条例の検討を行うことも明らかにしました。
専門家 運用は慎重にすべき
そこまでするの?という声も聞こえる明石市の対策。
ひとり親世帯の支援に詳しく明石市の検討会のメンバーも務める早稲田大学の棚村政行教授は、次のように指摘します。
「養育費不払いの問題解決に積極的に踏み込もうとするもので評価できる。ただ、名前の公表によって相手が不払いのレッテルを貼られて仕事を続けられなくなり、結果的に養育費の支払いが困難になるケースも想定される。よほど悪質でないかぎり、心理的に支払いを促す程度に運用されるのが望ましい」(棚村政行教授)
そのうえで「まず、離婚の際に夫婦間できちんと養育費に関する取り決めを行うことが重要。それでも不払いが続くときに行政としてどんな支援ができるか。何が効果的なのか、全国の自治体の例となるべく検証を重ねたい」と話していました。
子どもたちに“こんなにひどい国”と思われないためにどうしたらいいのか。明石市で始まった議論をきっかけに、大人たちに問いかけられた課題だと思います。
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- 2023/09/20(水) 00:00:39|
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