<個人投資家の9割が株で負けている理由。塩漬け、逆張り、割安株投資/足立武志> 足立武志 2021年01月04日日刊SPA
―[お金偏差値30からの株式投資]―
投資 負け組 コロナ禍のリモートワークで時間もできたので、昨年、株式投資を始めた人も多いだろう。しかし、個人投資家で実際に儲けている人はたったの1割、ともいわれる。どうして投資初心者は株式投資で今一つ儲けることができないのか?
株式投資の実力を上げるための新書『お金偏差値30からの株式投資』を上梓した足立武志氏とともに、投資初心者が陥りやすい株式投資の罠について考えてみた。
・株式投資で実際に儲けている人は“たった1割”
「株に投資している個人投資家で実際に儲かっている人は1割程度、とよくいわれます。どれぐらいの人が儲かるかはその時の相場状況によっても変わりますが、『個人投資家は株式投資で損している』というのが如実に示されているのが、信用評価損益率というデータです」(足立氏)
この信用評価損益率とは、株を信用取引で買った投資家の全体としての損益率がどうなっているかを毎週示したもの。信用取引を利用して株を買うのは多くの場合、個人投資家であるため、個人投資家の損益事情を反映した数字ともいわれる。その推移を示したのが下のグラフだ。
信用評価損益率「信用評価損益率は通常マイナス(=含み損の状態)で推移しています。これは信用取引を行う投資家の多くが、信用取引の建玉が利益になれば早めに決済してしまう半面、含み損が生じた建玉は損切りせずに我慢して持ち続けてしまうためです」
図を見てもわかるように、コロナショックで株価が大暴落した3月には損益率がマイナス30%まで悪化。その後、日経平均株価は大きくリバウンドして11月にはバブル後最高値をつけるまで上昇したが、損益率は一度も0%まで回復することなく、マイナス10%以下で推移している。
個人投資家がいかに儲かっていないかを示す一つのデータといっていいだろう。
・「塩漬け」ではなく「損切り」、「逆張り」ではなく「順張り」を心がける
では、どうすれば、株式投資で大半の人のように含み損を抱えるのではなく、しっかり利益を上げることができるのか? 自らも株式投資で成功している足立氏は、株式投資で着実に利益を上げる極意は「損切り」「順張り」「成長株投資」にあると語る。
「個人投資家で儲かっている人が1割しかいない、その理由は多くの個人投資家が少し儲かったら利益はすぐに確定してしまうのに、株を買って損失が出ても損切りができず、含み損を抱えた塩漬け株を抱え込んでしまうからです。さらに一般の買物と同じように『株価が割安なものを安い、お買い得』といって買う傾向も強いと思います。すなわち『塩漬け』『逆張り』『割安株投資』が初心者が躓きやすい株式投資の罠といえるでしょう」
では、それを防ぐためにはどうすればいいのか?
「まずは損切りですね。自分の予想と反して株価が下がったら、どんなに悔しくても損失を確定して、さらに大きな損失、回復不可能なほどのダメージを受けないように心がけることが成功への第一歩です。下がっている株を安いからそのうち上がるだろうといって逆張りするのも禁物です。株式投資で儲けるためには、株価が実際に上がらないと話になりません。つまり、上がっている株を上がっているときだけ保有するという順張り、トレンドフォローの考えをしっかり身に付ける必要があります」
たとえば、下図は医師向けに医療情報専用サイトを運営するエムスリーの株価。3月のコロナショックで暴落したあと、11月までに4.2倍も上昇している。
「こういった株を上昇が続いている間だけ保有し、移動平均線などを基準に下げに転じたらいったん売却して、再び上昇モード入りしたら買い直す、という手法が私は、含み損を抱えず、株で効率よく利益を上げるコツだと思っています」
・「億り人」達成には「バブルに乗る」「成長株投資」が大切
そんな足立氏が、株式投資の世界では夢のゴールとされる「億り人」になるために必要な条件は次の4つだという。
1 タネ銭を増やす
2 バブルを徹底活用する
3 配当収入より値上がり益
4 割安株より成長株
「投資でお金を増やすためにはタネ銭が多いに越したことはありません。さらに株式投資には、お金を増やしやすい時期とそうでない時期があるのです。2020年のコロナショック以降は、コロナのせいで社会が大きく代わり、リモートワークや巣ごもり消費関連の上場企業の株価がバブル的に上昇しました。そういったバブルの初動段階にうまく乗ることも株で1億円の資産を築くためには必要です。
さらに、株式投資で大きく儲けるためには、やはり、配当収入や株主優待といった定期的にもらえる収入よりも、株価そのものが2倍、3倍と大きく値上がりする必要があります。そのためには、業績に比べて株価が割安な株よりも、毎年増収増益が続き、投資家からも注目されている成長企業の株を買うほうが大きな利益を狙いやすいのです」
たとえば、毎年売上や利益が20%ずつ増加している企業の場合、1×1.2×1.2…とその20%成長が4年続くと、売上高も利益も2倍以上に増える。売上や利益が2倍に増えれば株式市場が同じ状態なら、株価も2倍になってもおかしくない。その企業の売上がもっと大きく伸びそうだ、という投資家の期待が強い場合、株価は「未来を先取りする性質」があるため、2倍以上に上昇する可能性も高い。これが増収増益の続く成長株に投資する醍醐味なのだ。
「冒頭で紹介されたエムスリーなどが顕著な例ですが、企業が成長を続けていて、投資家の期待感が高まり、しかも株式相場がバブルの状況になれば、成長株は期待先行で株価が10倍高することもあります。そうした成長企業の株価上昇に順張りでついていくのが、もっとも効率よく株で資産形成する近道といえるのです」
株式投資でしっかりお金を増やせる人になるためには努力と経験が必要なのだ。
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「貯蓄から、投資へ」と乗せられて、お金を使い、神経をすり減らし、あまり儲からないのでは個人投資家は浮かばれないですね。
金融機関やマネー雑誌、評論家などが、投資商品(FXだ、信用取引だ、外貨建て投信・・・、外債・・・)といろいろと煽り立てますが・・・
結局確実に儲かるのは胴元(金融機関)ばかりという構図です。
バブルの頃までは、株式の“信用取引”ですら、証券会社に「何千万も預り資産のある顧客」しかできませんでした・・・それが、いまでは、個人がなけなしの資金でレバレッジの効いた「FX、信用取引、CFD・・・etc」が可能となりました。
「規制緩和」の恩恵と言えば、聞こえは良いですが、「規制緩和」の行き過ぎで、明らかに金融商品取引法&金融商品販売法の適合性の原則から逸脱しているのではないでしょうかね。
「投資」というより「ギャンブル」化し過ぎました。
(なぜ「預金派」か「ギャンブル派」しかいないのか?) ところで、日本では超低金利が続こうとも、いくら「貯蓄から投資へ」とプロパガンダで煽ろうとも、慎重な預貯金派ばかりです。(そのお陰で国債の「札割れ」が起こらずに済んでますが・・・)
逆に、わずかな積極投資派は、FXなどで損を出すようなリスクをかけて、投資というよりは、投機・ギャンブラーだらけ・・・
どちらも極端すぎますね。
↓ そして、そのギャンブラー(?)達の悲惨な破綻の様子を見て、預貯金派は、ますます「郵便貯金が一番ね!」的傾向に拍車がかかるという悪循環。
しかし、いよいよ日本の財政破綻も近づきつつある現在、慎重派の皆さんも、投資について考えないワケにはいかない時代です。
この機会に、資産の海外分散もできて、ズボラでも儲かる投資スタンスについて考えてみませんか。
そもそも皆さんは、短期的な流動性の必要がなく、リスク投資に回しても良い資金は、どれくらいあるでしょうか?
各個人・家庭の状況でそれぞれ違うとは思いますが、いずれにしても、それほど大きな金額にはならないでしょう。
その資金をどのような投資に回しますか?
・個々の現物株式、投信、RIET・・・選択肢は多々あります。
(「プロに聞けば・・・」は正解?)「プロに聞こう」と思っても、証券マンは証券、生保レディは生保、銀行屋も投信など・・・それぞれ自分たちに都合の良い商品を勧めてきます。
金融雑誌やWebでは、FPやら評論家が、「アセットアロケーションが・・・、国際分散投資が・・・為替リスクが・・・」とか言い出し、煙に巻きながら結局は自分たちのスポンサーの土俵へと誘導します。
最後には皆さん、なんだかワケ分からなくなって、リスク許容度の底が抜け・・・
変なアクティブ投信やREIT、FX、商品先物、ワケわからん未公開株、思いつきで現物株…etcを買ってしまったりしてしまうものです。
(プロより簡単で高いパフォーマンスを誇るもの!) しかし、そんなみもふたもないスタンスで投資をしてしまうくらいなら・・・単一銘柄などよりリスク分散されたインデックス投資を取り入れましょう。
長年低迷し、今後も低迷が予想される国内のインデックスではなく、海外のインデックスなら国際分散投資にもなります。
(余裕資金を国際分散投資として長期的に外貨で保有する前提ですから為替変動はあまり関係ありません。)
本来は、分野や対象地域(国)の違うインデックスを組み合わせてポートフォリオを組むとなお良いですが・・・
分かり易くするために、米国の“ダウ平均”一本に投資してみるとどうでしょう!
金融のプロでさえ、中長期的には、ダウ平均のような「“インデックス”を超えるパフォーマンスを上げることはできない」ことは、金融の常識といっても良いですから。
☆たとえば、ダウ平均を毎年同じ日に買って売るという単純な方法で、どのようなパフォーマンスが上がるか見てみましょう。
※まずは、「ダウ平均」の推移(10月初日始値)を見ておきましょう。


実際、毎年10月1日に“ダウ平均”を買って、1年後・2年後・3年後に売るという機械的な(ズボラな)投資のパフォーマンスはどうなるでしょう。
↓

・毎年10月1日に買って翌年10月1日に売るだけで・・・1960-2022年の勝率は 69.88% 平均上昇率 7.6%
・毎年10月1日に買って2年後の10月1日に売るだけで・・・1960-2022年の勝率は76.2% 平均上昇率 16.1%(8.05%/年)
・毎年10月1日に買って3年後の10月1日に売るだけで・・・1960-2022年の勝率は81.0% 平均上昇率 24.9%(8.3%/年)
※注)「勝率」とは、少なくとも購入価額を売却時に上回っている率

神経をすり減らすこともなく、同じ日にダウを売って、買うことを繰り返すだけというズボラな投資の割りには、投資のパフォーマンスは十分な成果でしょう。
期間が長期になるほど、勝率も上がり、運用利率も高くなる傾向が顕著です。
果たして素人が大きくない金額でリスク投資を行ない中長期的にこのようなパフォーマンスを上げられるでしょうか?
☆同時期の金利の推移と比べても、十分なパフォーマンスが見てとれます。
↓
※米国債の金利と比較したフェデラルファンド金利


投資の話になると、「アセットアロケーションが・・・」「分散投資、ポートフォリオが・・・」「為替リスクが・・・」と小難しいことを言われます。
しかし、ごく普通の庶民が、流動性を気にせず、長期的にリスク投資に回せる金額は、それほどの額でもないでしょう。
そして、プロですら、中長期的には、市場平均ともいえるインデックスを超えるパフォーマンスすら上げられないことを鑑みれば、庶民が、長期的にリスク投資に回せる金額は、インデックスに直接投資するのが肝要でしょう。
<インデックスの中でも、やっぱりダウがお奨めなワケ!> では何故、数あるインデックスの中でも(一本でいくなら)「ダウ平均」をオススメしておくのは、なぜでしょうか?
(ダウ平均でなくてもSP500など米国の標準的なインデックスであれば良いです。)
なんだかんだいっても、グローバル化した資本主義経済では、最も重要な競争力の源泉は、労働生産性(一人当たり付加価値)です。
下記のグラフを見ても、米国の労働生産性は、人口が億を超える国家規模を鑑みれば、孤高ともいえる存在です。
「米国は没落する・・・」「ドル暴落は・・・」なんて、何十年も前から十年一日の如く、著書を売りたい評論家や学者が、話題集めにセンセーショナルに語りますが・・・
経営を知っている方なら分かるでしょうが、圧倒的に労働生産性が高い国が没落することはありません。
先に没落するのは、労働生産性が下降したり、相対的に低位にある国です。
典型的な例を挙げれば、かつてのソ連、最近でいえば日本でしょう。
実際IMFの融資を受けるような破綻に至るのは、アルゼンチン・韓国・アイスランド・ウクライナ…etcといった国々です
逆に、中国の存在感が増しているのも、労働生産性が近年急速に伸びてきているからであって、人口や政治力・軍事力など付随要因に過ぎません。
労働生産性の推移を考えれば、長期的な投資を考えた場合、どの国のインデックスに投資するのがリスクが少なく安定したパフォーマンスが期待できるかは、お分かりになるでしょう。
なお、インデックスに直接投資するには、「インデックス投信」「ノーロードのインデックス投信」「海外ETF」・・・などを思いつくのではないでしょうか。
人為を用いないインデックス投資においては、いらぬ取引コストは低減することが鉄則ですし、そもそも金融機関のプロ(?)の手を煩わせないのだから、払わないのが当然!
初心者でも海外ETFが良いでしょうね。
信託報酬が圧倒的に安いですから。
国内の投信は、ノーロードでさえ信託報酬を結構取ります・・・普通の投信では、1%以下の取引コストならお得な方です!
ヘタすると“運用のプロ”が3~4%もサヤ抜きますからね。
(投資は最終的に自己責任です。皆様ご自身の投資の最終的な判断はご自身でお願いします。)



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- 2023/09/17(日) 00:00:16|
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