<木下優樹菜さんに賠償命令 タピオカ店長脅迫で40万円> 2021/10/27 共同通信
元タレントの木下優樹菜さんにインターネット上で脅され精神的苦痛を受けたとして、東京都のタピオカドリンク店の店長が木下さんに1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、「脅迫行為に当たる」と認め、木下さんに40万円の支払いを命じた。
判決によると、木下さんは姉が勤務していた店とトラブルになり、写真共有アプリ「インスタグラム」で2019年9月、店長に「事務所総出でやりますね」といったメッセージを送信。同10月には、店名が分かる商品の写真に「給料もちゃんともらえず」とのコメントを付けて投稿した。
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「ダマされるな!」と題して情報発信を続けておりますが・・・
「ダマされてはいけない」大きな理由の一つ「日本の民事裁判の被害救済力の無さ!」について、典型的な報道が有りましたので取り上げましょう。
まずは、上記の記事、かの有名なタピオカ恐喝事件のケースです。
このケースでは、影響力有るタレントに「事務所総出で・・・」とまで脅され、原告としては、その件で1千万円(多少盛っているかもしれませんが原告自身としては1千万円の損害と算定している訳です。)の損害賠償を求めて、訴訟を提起して勝訴したとしても、実際に被告に支払を命じられた賠償額は、「40万円!」ですから・・・
これでは、単に経済的な面だけで言えば、訴訟に掛る費用・時間・労力・心理的負荷…etcを勘案すれば完全にマイナス!
こんな金額では、訴訟費用にもならないでしょうか?
プライドにこだわらなければ、裁判などやらないで、イヤなことは忘れて、早く再出発した方がメリットが多いのが実態です。
これが日本の訴訟の現実なのです。
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だから、「ダマされてはダメなんです!」
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「ダマされる」ことは、イコール「経済的な損害を被る」ことです。
損害賠償とか慰謝料とかについて、米国当たりの派手なケースを思い浮かべて、過大評価している人が意外といるものですが…
日本における民事訴訟の現実としては、余程レアなケースでない限り、“焼け太り”など期待薄で、騙されたことによる損害のごく一部でも戻ってくれば“御の字”ということをキチンと認識しておきましょう!
くれぐれも~
「訴訟で損害を取り戻せるから・・・」
「精神的苦痛の慰謝料まで請求して元を取る・・・」
~などと夢想しないことが肝要です。

一方で、そんな被害者救済に役立たない日本の民事訴訟ではありますが、ささやかな“良い変化”も有りました。
下の記事、これも“有名な”賠償金逃げ得系論破王”ひろゆき”からも賠償金が取れるように法改正されたという良い話題!
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<論破王ひろゆき、ついに賠償金を払う「60万円振り込んできた」当事者が顛末明かす> 2021.10.25 FLASH編集部
匿名掲示板「2ちゃんねる」の創設者で、そのユニークな言動から、ワイドショーのコメンテーターやYouTuberとしても活躍しているひろゆき。そんなひろゆきが裁判で敗訴したあげく、賠償金60万円を支払ったと話題になっている。
今回の裁判の原告は、メールマガジンサービス「まぐまぐ」の開発者として知られる深水英一郎氏だ。
深水氏とひろゆきは、『ガジェット通信』というニュースサイトを運営する企業「未来検索ブラジル」で代表と役員という間柄だった。
事件は、2019年に開催されたニコニコ動画のイベント「ニコニコ超会議」で起きる。トークセッションに登場したひろゆきは、酩酊状態で、深水氏が会社の資金を横領したと発言したのだ。深水氏は、これに異を唱え、訴訟を起こした。
本誌の取材に対し、深水英一郎氏が、次のように語る。
「当時、僕は『ガジェット通信』で代表と記者を兼任していました。あるとき、紙媒体とコラボすることになり、ガジェット通信で撮影したアイドルなどの写真素材を、その紙媒体に無償で提供する代わりに、紙媒体に広告を載っけてもらったんです。
それに対してひろゆきは、どういうわけか『深水はお金を受け取っていたに違いない』と言い出したんです。そのときは周りの役員がいろいろ話をして収まったのですが、ひろゆき的にはどうもモヤモヤが残ったらしいのです。
ひろゆきはニコ生(ニコニコ生放送)の配信者と仲がよく、毎年ニコニコ超会議で、配信者とトークするイベントをやっているんですね。
僕は2018年、未来検索ブラジルをやめています。そして翌年のニコニコ超会議で、とある配信者から『深水さんはなんでやめたんですか?』と質問されたひろゆきが、『(深水氏が)会社の資産を横流しした』と発言した。その結果、深水は悪いことをしてやめたんだ、という感じになってしまいました」
ひろゆきの発言は、深水氏に大きな悪影響を及ぼす。
「ひろゆきがその発言をしたとき、僕は他の会社で役員をしていたんです。すると、取引先から『そんな悪い役員のいる会社とは取引できない』と言われて。まず驚いたのが、ひろゆきが酔っ払って発言したことを真に受ける人がいるんだな、ということですね。
僕だけがなにか言われるならまだしも、会社に実害が出て、迷惑をかける形になったので、自分が悪くないことを証明するために裁判を起こしたんです」
ひろゆきはこれまで「2ちゃんねる」への書き込み削除をめぐり、複数の裁判に敗訴している。2017年5月13日には、『エゴサーチTV』(Abema)で、みずから「賠償金は累積で30億くらいいったと思う」と語っている。
その一方、「払わずに10年たつと時効になってゼロになる」とし、これまで『電車男』の印税60万円ほどを差し押さえられた以外は、賠償金を払っていないと明かした。
そんなひろゆきが、今回、初めて深水氏に賠償金を支払った。
「賠償金が払われたのは、今年の夏でした。判決では54万円でしたが、それに加えて利息も払うことで、60万2525円になりました。ニコニコ円になっているのは、ひろゆきなりのシャレかな、と思います(笑)。
裁判では、ひろゆき側の反論もありました。こちらもあらゆる証拠を示してていねいに説明したところ、それ以上の反論が来なかった。彼なりに納得し、この裁判の内容を受け入れた結果、払ってくれたんじゃないかなと思います。本人名義で振り込まれてきたときは、さすがに驚きましたね」
それにしても、今回、なぜひろゆきは賠償金を支払ったのか。一因として考えられるのが、昨年施行された財産開示手続きの強化だ。今回の出来事を、深水氏とともにYouTube動画で説明した弁護士・藤吉修崇氏がこう語る。
「賠償金を勝ち取った人は、債務者に対して『財産開示請求』をすることができます。財産開示請求が下った場合、債務者は裁判所に出頭して、自分が持っている財産状況を報告しないといけないのです。
改正前までは、債務者が財産開示手続きに応じない場合、30万円以下の科料が裁判所から科されるという緩やかなものでした。それが昨年の改正を経て厳しくなり、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるようになりました。つまり、刑事罰となったのです」
債務者が自身の財務状況を報告するようになったことで、より確実に債務を回収できるようになった。ひろゆきは法律改正を知っていて、刑事罰を避けるため、賠償金を払った可能性もある。
深水氏は、賠償金を手にしたものの、いまでもひろゆきに敬意を持っているという。それは、これまで仲間として一緒にサービスを作り上げてきた仲だからだ。
「なにか用件があって会うとしたら、普通に話せると思いますし、今回の件もちゃんと賠償金をいただいて “リセット” されている。次に会う機会があれば、ちゃんと話して、なにか新しいことができるかもしれません」
ひろゆきとしても、関係を断つより、賠償金を支払ってでも関係を維持したかったのだろう。まさに、「論破王」なりの誠意なのだ。
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これまでは、被害者が訴訟をして、ようやく損害の一部だけでも賠償命令を勝ち取っても・・・
ひろゆきのような悪意を持った輩に当たると、時効を目指して、国外へ逃げたりすることで、事実上「逃げ得状態」でしたから、このような面でも日本の訴訟は、被害者の救済に全く役立ちませんでした。
しかし、上記の記事の様に、少なくとも~
「賠償金を勝ち取った人は、債務者に対して『財産開示請求』をすることができます。財産開示請求が下った場合、債務者は裁判所に出頭して、自分が持っている財産状況を報告しないといけないのです。
改正前までは、債務者が財産開示手続きに応じない場合、30万円以下の科料が裁判所から科されるという緩やかなものでした。それが昨年の改正を経て厳しくなり、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるようになりました。つまり、刑事罰となったのです」
~となってくれたおかげで、悪意を持って“逃げ得”を狙う輩からの回収可能性がそれなりに上がったと言えるでしょう。
あの賠償金逃げ得系yutuber”ひろゆき”でも払うのですから・・・(おそらく同氏は、前科者(犯罪者)になると“大好きな”おフランスのビザ取得辺りに影響が出ることを避けたいのでしょうね!)
いずれにしても、取り立て可能性は、上がったとは言うものの、そもそも“ひろゆき”のような影響力のある輩に「犯罪者扱いの流言」を流布されても、賠償金「60万円」ですから・・・
このケースでも、そもそも賠償額自体が、全く被害の救済という面では、役に立っていないのは“デフォルト”です。
おそらく訴訟費用にもならないでしょうから・・・
<まとめ>
やはり「ダマされる」≒「損害を被る」ということをしっかり認識して、くれぐれも「ダマされることの無いように気を付けましょう!」というお話でした。
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- 2023/07/25(火) 00:00:43|
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