<「ハイビームは…」その遠慮が死亡事故に> 2016年9月28日 日テレ24
2020年4月以降、国交省は新型の乗用車には「オートライト」をつけるようメーカーに義務づけることを決めた。また、警察庁の調査では「ハイビーム」を使うことで、死亡事故を防げる場合もあるという。「車のライト」をキーワードに交通事故防止を考える。
■高齢者の死亡事故「日没前後」に集中
国土交通省は2020年4月以降、暗くなると車のヘッドライトが自動で点灯する「オートライト」を新型の乗用車につけるようメーカーに義務づけることを決めた。明るさが1000ルクス未満になると、自動でライトがつき、走行中は自分で消すことはできない仕組みだ。
1000ルクスは、一般的には日没の15分ほど前の明るさと言われている。つまり、日没前に車のライトが自動でつくようになるということになる。実は、オートライトの狙いはそこにある。
高齢者が歩行中に死亡事故に巻き込まれた時間帯をみてみると、日没前後の薄暗い時間帯に集中していることが分かる。そこで、国交省はオートライトを義務化して事故を防ごうというわけだ。
■ハイビームが推奨される理由
また、夜間の歩行者の死亡事故を減らすため警察庁は、車の上向きのライト「ハイビーム」を使うという呼びかけを行っている。
2015年、夜間に歩行者が車にはねられた死亡事故は625件で、このうち約96%にあたる527件が、下向きのライト「ロービーム」を使っていたことが警察庁の調査で分かった。ハイビームを使っていれば防げた事故もあるとしている。
ハイビームとロービームではそんなに違うのだろうか。JAF(=日本自動車連盟)が、夜間に障害物のあるコースを走る実験を行っている。ハイビームだと余裕をもって、映像では約100メートル手前で停止することができた。一方、ロービームにしてみると、障害物に近づくまでは気づかなかったため、停止できたのは障害物の直前だった。スピードをもっと出していた場合は、障害物に衝突してしまうケースもあった。
ハイビームが照らすことができる距離は約100メートルだが、ロービームは約40メートル。天候や路面の状態によって変わるが、時速60キロで走った場合ブレーキを踏んでから停止するまでの距離は約44メートルとされている。しかし、ロービームが照らせる距離は40メートルのため、気づいてからブレーキを踏んでもよけられないことになる。
愛知県では去年、夜間に歩行者がはねられた死亡事故は50件あり、そのうちハイビームを使っていたのは1件だけだった。愛知県警が検証したところ、このうち26件は、ハイビームを使っていれば命が助かった可能性が高いという。
■ハイビームを遠慮する現実もあるが―
しかし、ハイビームの方が安全なのは分かっても、ハイビームは対向車がまぶしいかなと思ってちょっと使いづらいという人もいるだろう。しかし、走行する時は原則ハイビームを使うのが正しい。
ハイビームの正式名称は「走行用前照灯」。ロービームの正式名称は「すれ違い用前照灯」という。道路交通法では、対向車が来たら、すれ違い用前照灯、つまりロービームに切り替えることが定められている。つまり、切り替える必要がある
JAF交通環境部の宮澤俊一さんは「市街地では、ハイビームは使いにくいがこまめに切り替えて欲しい」と話す。また、警察庁は「ハイビームが目に入るとまぶしいため、使用を遠慮するドライバーが多いとみられるが、その遠慮が死亡事故につながっている」と指摘している。
今回のポイントは「明るくゆっくりと」。オートライトなど事故を減らす工夫は、どんどん進化していくが、最後に事故を防ぐのは私たちの判断だ。ライトをこまめに切り替えたり、私たちが安全に止まれる速度でゆっくり走ることなどを心がけたい。
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新年を迎え、初詣など皆様お出かけの機会も多いことと存じます。
そこで、あらためてハイビームでの走行が事故を減らす効果について認識することは意義深いですね
ハイビームで走行していれば、事故にならずに済んだケースは、きっと多いのだろうと、皆様も個人の運転感覚としても実感できるのではないでしょうか。
ハイビーム走行について「眩しい・・・、トラブルが・・・」等々と難癖つける連中もいますが・・・「人命」と天秤にかければ、自ずと結論は決まっています。
これからも警察には、あらゆる機会に大々的に~
「ハイビームが基本!」
「すれ違い等の場合のみロービーム!」
~を周知するキャンペーンをドンドン行ってほしいものです。
ところで、道路運送車両法では、ハイビームを「走行用前照灯」、ロービームを「擦れ違い用前照灯」と規定されているのに・・・
なぜ、現在では、運転の実態と法の規定が、かけ離れてしまったのでしょう?
恐らく以下のような理由ではないでしょうか。
①:一般的なドライバーは、夜間でも交通量の多い道路で運転することが多いので、ロービームで走行することが実態として多く、その上「ハイビームの方が基本」ということがあまり周知されていないために・・・
「ロービームが標準でハイビームは特殊な状況で使うもの」と思い込んでしまっている。
それ故、本来ハイビームで走行すべき状況になっても、ハイビームに切り替えず、ロービームのまま走行している~というのが実態でしょう。
②:自動車のライトのスイッチの構造も、ロービームの方が基本のような構造になっています。
(実際使う機会が、ロービームの方が多いのでしょうがない面があるのでしょうが・・・)
そして、現在のスイッチの構造では、頻繁な切り替えに向いていない形状の為、億劫なので切り替えずロービームのまま走ることになります。
③:「ハイビームが基本」ということが、ドライバー全体に周知され、コンセンサスとなってはいないため・・・
前方の車や対向車と「眩しいぞコラ・・・」といったトラブルになることを恐れ、いきおいハイビームに切り替えることを躊躇うことになる。

いずれにしても、人の命にかかわることですから、警察や市町村などには、本腰を入れて以下のような対策を取ってほしいものです。
(1)
まずは、「ハイビームの方が基本」ということが全ドライバーのコンセンサスになる位、あらゆる機会を通じて、十分な周知を図る。
免許取得時・更新時等にも周知すると良いでしょう。
ヘッドライトの構造もハイビームが基本であることが感じられような構造に変更。
(2)
今後は、ヘッドライトのスイッチを切り替えが億劫にならないように改良する。
ex・オーディオのスイッチのように、指先一つで使えるヘッドライトの切り替えボタンをハンドルに付ける。
ex・センサーによって自動的にロービーム・ハイビームを切り替える機能。
是非ともこの機会に交通事故を減らし得る「ハイビーム切り替え」をさっそく皆様にも実行していただきたいと思います。
当然、私も今後は億劫がらず、「ハイビーム基本」を心に銘じていきたいと思います。


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- 2020/08/25(火) 00:00:06|
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