<「種のある男と再婚します」と妻が…精子の異常判明で離婚するケースも> 2019/12/16 読売新聞(ヨミドクター)
・精子に隠された「不都合な真実」
今回は、私たちのメンバーのうち、開業してトライアルを行っている黒田が、その中で経験した夫婦のエピソードをいくつか紹介します。まずは、適材適所の治療法の選択が成功した例からです。
【ケース1】顕微授精25回不成功の後、人工卵管法1回で妊娠
夫婦は過去に4施設で治療を受けましたが、どこでも妻の高齢が強調され、「老化した卵子は、顕微授精しないと受精しません」と説明されました。「急がないと卵子が取れなくなる」という焦りから、25回も顕微授精を繰り返したということです。6回は胚移植まで進みましたが、着床しませんでした。治療費は諸雑費を含めて約1500万円とのことです。
一般的な顕微鏡検査では、精子数は3000万匹/ml、運動率(元気な精子の割合)は50%で、問題はありませんでした。しかし、見た目のよい精子を選別して当院で精密検査を行ったところ、約50%の精子の頭部に空胞が認められ、約30%にDNA損傷が認められました。
私たちが開発した 人工卵管法 は、通常の体外受精よりも必要な精子が少なくて済み、大事なのは精子の質です。空胞がある精子の多さが気になりましたが、夫婦と相談して人工卵管法を行うと、初回の治療で無事に妊娠しました。その後、切迫流産や切迫早産の兆候などが認められましたが、妊娠39週で出産に至りました。
このように「精子が先」の新しい治療モデルを導入することで、顕微授精を繰り返しても妊娠しなかった夫婦の2割が妊娠したことは前回、ご紹介しました。
しかし、私たちが本当にお話ししたいのは、顕微授精も、その代替手段である人工卵管法も不成功に終わった200組、約8割の夫婦のエピソードです。また、人工卵管法を行うことすらなく、治療断念を勧めざるを得なかった夫婦のお話です。
私(黒田)は、精子選別・検査、体外受精(人工卵管法)などの操作を、すべて自身で行います。それは、主治医として夫婦の人生を左右するお話をする時、夫婦関係、検査、治療の全情報を一括して把握していることが、とても重要だからです。夫婦が不妊治療をあきらめたとき、私が一番ほっとするのは、「僕のせいで君に迷惑をかけた」とご主人が語り、「これからの人生、二人で生きていこう」と手をつないで帰る夫婦を見送るときです。しかし、そのようなケースばかりではありません。
【ケース2】妻30代後半。卵子の老化を指摘され、顕微授精を繰り返してきたが、実は夫側に重大な問題が
当院受診前に通っていたクリニックでは「精子数も運動率も良好です。妊娠しないのは卵子の問題でしょう」と言われ、顕微授精を8回繰り返しましたが、受精率が極めて悪く、1回しか胚移植に至らなかったそうです。(総治療費は諸雑費を含めて約500万円とのことです)。担当医師からは「間もなく40歳、急がないと。あきらめずに頑張りましょう」と言われていました。
一般的な顕微鏡検査では、精子数は5000万匹/ml、運動率は80%と良好でした。しかし、選別した精子のDNAを検査すると、右側の写真に示したように、約80%の精子はDNAが細かく切れていました。
通常、選別後は左側の写真のように、DNAが長く伸びている(連続性が保たれている)精子が大半であり、DNAに損傷(切断)が見つかる精子は一部です。割合としてはわずかなのですが、このように運動している精子なのにDNA損傷が進んでいる例があります。この夫婦には「治療断念」という見解をお伝えせざるを得ませんでした。
その直後のことです。今まで夫から「高い治療費がかかる」「精子採取が精神的な苦痛だ」と罵倒され、屈辱に耐えてきた妻の怒りが爆発し、私の目の前で「こんな精子を私の卵子に入れていたなんて、あり得ない」と大げんかになりました。
その後、奥様から連絡があり、「不妊治療を通して、夫との性格の不一致を認識せざるを得ないという結論に至り、離婚しました」と報告がありました。何とも心の痛むエピソードです。
【ケース3】治療断念を妻は納得できず、以前の医師のもとへ
精子精密検査の厳しい結果を伝えると、夫は自分に原因があることを理解し、「やっと治療をやめられる」と安堵(あんど)しました。しかし、妻としては青天の 霹靂(へきれき)で「ここまで治療をがんばったのに、今さらあきらめるなんてできない」と言い残し、「妊娠するまで一緒にがんばりましょう」と言ってくれる主治医のもとに戻り、顕微授精を繰り返しました。約2年後、再び来院し、「やはり言われた通りでした」とおっしゃり、再検査と治療を依頼されましたが、再度、治療断念を説得し、今度は納得されました。
【ケース4】20代の夫婦。「原因不明」の不妊で顕微授精を繰り返したが、精子のDNAに傷があった
20代後半の夫婦。当院受診前に2施設の不妊治療施設を受診しましたが、どちらでも「原因不明の不妊症」であると診断され、計6回の顕微授精を行いました。受精率が極めて悪く、全回、胚移植に至らなかったということです。(総治療費は諸雑費を含めて300万円とのことです)。担当医からは「若いのだから、いつかは妊娠できますよ。気長にやりましょう」と言われていたとのことです。
一般的な顕微鏡検査では、精子数は8000万匹/ml、運動率は70% と問題ありませんでした。当院において精密検査を行った結果、頭部形態が正常な精子がほとんどであり、従来の基準では「まったく問題ない」と言われるレベルでした。しかし、通常、元気に動く精子のDNA損傷率は30%以下ですが、この方の場合、約90%の精子に様々なレベルのDNA損傷を認めました。さらに頭部の空胞も多く、「多重機能異常」と判定しました。
選別後の精子に同じような異常が高い頻度で、しかも複数見つかる方は、背景に遺伝子の問題が潜んでいる可能性があることを説明し、「治療は厳しい」と見解を伝えました。夫婦は結果を真摯(しんし)に受け止めて、「これまで顕微授精をしてもうまくいかない理由が、よくわかりました」と話されました。
その数日後、夫の両親が来院され、「精子の悪い子を生んだ覚えはない」と感情的になられていました。そこで患者夫婦の同意を得た上で、科学的根拠に基づいて精子情報を詳しく開示したところ、「厳しい現実を受け止めざるを得ないです」と涙を流されました。
このケースでは、夫婦の年齢が若く、精子の見た目も良かっただけに、もし精子の精密検査をしないまま転院を繰り返していたら、ひたすら顕微授精が繰り返されたのではないでしょうか。
「僕は異常だというのか!」「私たち夫婦を拒否した」
その他のケースとしては、▽どうすれば妊娠できるか、セカンドオピニオンを聞くつもりが、それまで聞いたこともなかった「造精機能障害」を指摘され、「僕は異常だというのか?人格を否定された」と夫が怒った▽夫婦で治療断念を納得して帰宅したものの、後日、「やはりあきらめられないので治療してほしい」とおっしゃり、改めて治療を断ると、「クリニックの成績を上げたいから、私たち夫婦を拒否した」と怒った▽夫婦に精子の検査結果を説明したが、「時間の都合があるので、来週もう一度お話ししましょう」と再受診を予約して帰った。数日後、奥様(40代半ば)から予約キャンセルの電話があり、「離婚することにしました。種のある男と再婚します」と言い残した……などがあります。
時折、ご主人に対して奥様が「こんなにつらい不妊治療を私が頑張っているのだから、精子くらい取ってよ……」と厳しい言葉を口にされることがありますが、奥様も、採精を頑張るご主人への感謝の気持ちを持っていただき、また、ご主人も、奥様の頑張りをたたえる気持ちをできれば直接、言葉で伝えてあげていただきたいと思います。
出口戦略がなく、入り口戦略も不十分な生殖補助医療
そろそろ、この連載も終わりです。13回おつきあいいただいて、ありがとうございました。精子の選別や検査の研究が進むにつれ、精子に隠された「不都合な真実」が明らかになってきました。まず、顕微授精を含む生殖補助医療は、「細胞崩壊」と申し上げた、精子の状態が極めて悪い方には対応できません。そして、頭部が楕円(だえん)の元気よく泳いでいる精子にも「隠れ造精機能障害」が潜んでいます。私どもは、それまでの「がんばれば、みなさん妊娠できます」ではなく、精子の「質」がどの程度までなら人工卵管や顕微授精で対処可能なのか、一方、どこまで悪くなったら顕微授精を断念するべきか、「治療の限界」を徐々に意識するようになりました。
「じゃあ、『精子の状態が極めて悪い』私たち夫婦に、何か他の方法はあるの?」と聞かれたとき、私たちは明確な答えを持っていません。精子の厳しい現実を、せめて少しでも早く夫婦にお伝えすることが精いっぱいです。
最後に申し上げたいことは、今の生殖補助医療には出口戦略(損失・被害を最小限にして撤退する戦略)がなく、それ以上に入り口戦略も不十分だということです。精子の情報を詳しく把握することは、不妊治療をこれから始める夫婦には入り口戦略であり、すでに長く不妊治療をされた夫婦にとっては出口戦略になり得ます。
つらすぎる現実ですが、精子検査が出口戦略になった夫婦は、お互いの健闘をたたえ、少しゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。お二人の長い人生を考えれば、心と体とお財布に余裕を持って治療を撤退することも大切です。
「妊娠しないのは女性が悪い」と言われた時代が長く続きました。今は、不妊原因は男女半々と言われています。男性不妊の背景を考えると、将来的には「男性側の問題で妊娠が難しい」とされる割合が多くなっていくと思います。もし、精子がうまく造れないことが「生まれつきの問題」であった時、その個人を責めることはできません。
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「結婚したら妊娠して子どもが生まれて・・・」と普通の人は考えてしまいます。
しかしながら、現在はこのような安易な考えが通用しないほど不妊が増えています。
特に“盲点”となっているのが「男性不妊」。
猛烈に増加しているので厄介この上ないですな。
種無しなのにプライドだけ高く現実を見つめず治療もしない。
いい年こいて、そんなに夢見る中学生みたいなのが多いというのもよく聞く話です・・・
そもそも晩婚で、女性側の“卵子の老化”だけでも大変なのに、種無しかどうかの診察にしか行かないとは・・・
もはや晩婚の場、男性の「ブライダルチェック」は必須です。
「前」に見つけておかないと「結婚後」では「診察」にすらなかなか行きませんから・・・
<「高齢でも医療技術で何とかなる」・・・は幻想!都市伝説的希望的観測に過ぎなかった!> いままでは、雰囲気的に医学も進歩して来ているし、「高齢でも医療技術で出産は何とかなる・・・」といった考え方が、蔓延してきたように思えます。
しかし、医療技術のお蔭で、稀に高齢出産できるケースが増えて、そのようなケースばかりマスコミに取り上げられるので、何とかなるように思ってしまっていただけで・・・
実際は、うまくいくケースなど氷山の一角に過ぎず、うまくいかないケースの方が、はるかに多いワケです。
少子化に悩んできたフランスでは、国をあげて、「卵子の老化」問題を重要視し、教科書やパンフレットを使い、国民に周知。
女性は皆「「卵子の老化」についての知識を持つようになっている。」とのことですから、何をかいわんや!
これからは、日本の女性も、可愛い我が子を、その手に抱きたければ、自分の卵子老化という生物的な限界に備えてライフプランを明確にし、実践しなくてはいけない時代になりました。
<かわいい赤ちゃんをその手に抱くためのライフプランとは・・・「「卵子の老化」に負けない」!> 女性が自分の人生を考える上で、かわいい我が子を、その手に抱きたいのであれば、まず「卵子の老化」に真剣に向き合わなければなりません。
「子供なんて絶対いらない!」
「結婚は縁、縁無いなら一生独身で・・・」
「仕事が第一・・・」
~という信条を持つ女性であれば、ライフプランも無く、思うがまま・行き当たりばったりに生きていくのも良いでしょう。
男性は、妊娠出産について、あまり年齢的な制約が無いので、そのような場当たり的な生き方しか持たない人が多いです。
(実は、このことが、後で出てくる「「種無し」」問題について、非常に後手に回ることになるのですが・・・)
しかし、一般的な女性はそうはいきません。
女性も高学歴になった現在、大学まで進学し、企業に就職する場合・・・就職して経験を積み、とりあえずいっぱしの社会人になる頃には、20歳代後半~30歳代前半が来てしまいます。
「卵子の老化」を考えるとその頃から慌てだしても、すでに遅いので、やはり、女性は、社会人としての基礎を形づくる時期に、将来を見据え、シッカリ婚活も進めていかないといけませんね。
<かわいい赤ちゃんをその手に抱くためのライフプランとは・・・「「種無し」男性」急増の恐怖!> 「卵子の老化」だけでも、かわいい自分の赤ちゃんを抱くために女性にとって大変な制約なのですが・・・
実は、「卵子の老化」より、ずっと深刻な問題が後に控えているのです。
婚活して、良い男性を見つければ、かわいい赤ちゃんに向けて「ひと安心・・・」なんて思っていると大間違い!
残念ながら、現在、「男性不妊」(有り体に言えば、「種無し」)が激増しています。
「卵子の老化」は、女性の側がしっかり認識し、それに備えたライフプランをしっかり考えれば避けられる問題ですから、まだ解決しやすい問題とも言えます。
しかし、せっかくかわいい赤ちゃんに向けて、「卵子の老化」には備えたライフプランをしっかり実現しても・・・
肝心の男性が「種無し」ときた日には、努力は水の泡です!
「卵子の老化」は認識しながら、「種無し」には無策では、まったくの片手落ちであることも認識しておかないといけません。
<「種無し」により空費される時間・・・卵子老化のリミットに!> 現在激増している「種無し」男性に当たってしまった場合、一体どういうことが起こるでしょう。
まずは、結婚後、なかなか妊娠しないと認識してから、不妊治療を始めるまでに、夫婦により違いは有りますが・・・3~5年程度は経ってしまうのが普通です。
その上、「種無し」男性は、実は自分で薄々それに気づいているケースが多く、逆に精液検査などを嫌がり、避ける傾向が顕著なのでますます「種無し」であることを見出すまでに、貴重な時間を空費してしまう夫婦が非常に多い。
そうこうするうちに、妻の「卵子の老化」も加わり、結局「不妊治療を断念する」という結果を迎えることになります。
これでは、何のために「卵子の老化」に備えて、ライフプランを整えて実践してきたのか分かりません。
「種無し」にさえ当たらなければ抱けていた我が子が、一生抱けないということになってしまいます。
そうでなくても晩婚な時代、「種無し」につきあっている時間はありませんよ!
<激増する「種無し」男性!かわいい赤ちゃん欲しい女性はどうすれば良い?> ライフプランを整え、卵子も老化していない段階で「さあ、子供を持ちましょう!」と思っても、パートナーが「種無し」では、その治療だなんだと言っているうちに、時が過ぎ、卵子まで老化してしまい・・・「タイムアップ!」ということになりかねません。
「20代男性の精子数は、40代前後にくらべて半数ほどしかない。
1ミリリットルあたりの平均精子数――40代は8400万個、20代は4600万個という数値が出た。(帝京大学医学部調べ)」
~これはかなり衝撃的な事実です。
男性不妊において、精子濃度で、4000万/mlを下回ると妊娠しにくいとの診断になることから考えても、現在の若い男性の受精能力は、相当に低く、「種無し」に当たってしまう可能性が非常に高いことは、十分に認識しておかないといけません。
<「卵子の老化」以上の関門。「種無し」対策は、デキちゃった結婚ぐらいしかない!> 「種無し」対策の最良の方法は、結婚前に貴女が相手に「精液検査」をさせることですが・・・そんなことも難しいでしょう。
(結婚後、明らかに不妊と思われても、なかなか「精液検査」を受けない男性が多い位ですから!)
そこで現実的な「種無し」対策としては、貴女が卵子老化に備えてライフプランに沿って、婚活し、結婚しても良い男性を見つけたならば・・・「デキちゃった結婚」を目指しましょう。
フザケテ言っているのではなく、「デキちゃった結婚」も現在では、珍しくなくなり、許容されるようになりましたので、イザ結婚してしまってから、「種無し」が判明するリスクを背負い込む位なら、いっそ出来ちゃった結婚の方が、ずっと幸せになれます。
「種無し」が激増しているにも拘らず「結婚すればスグに可愛い赤ちゃんを授かる・・・」なんて、昭和の女学生みたいな認識で結婚してしまうと・・・
結婚後、旦那の「種無し」が判明し、愕然とし、いずれにせよ暗い毎日が待っていますからね・・・
あなたが「「種無し」であろうが、かわいい子供が持てなかろうが、その男と一生添い遂げる!「彼が「種無し」でも、絶対に私の愛は変わらない!」というなら、結婚先行を止めまわしませんせんが・・・
現在の「種無し」の激増ぶりを見ると、卵子老化のリスク管理上も「結婚してから子供!」などという古臭い考えに囚われると、「かわいい赤ちゃんをこの手に抱く!」という女性としての幸せが、実現しなくなるリスクが非常に大きくなります。
「子供だけが人生ではない!」という意見も分かりますが・・・
逆に、私など「子供を持たないなら、別に結婚しなくてもいいんでは?」とも思ってしまいますね!
また、一旦結婚してしまってからでは、「あなたが「種無し」だから別れるっ!」ってワケには建前上も、ナカナカ出来なくなりますし・・・
とにかく、「この人なら結婚しても良い!」という方が現れたなら、恋愛中でのうちに、避妊をせずにお付き合いを続けましょう。
それでも全く妊娠しないような「種無し」の可能性が極めて高い男性とは、残念でしょうが、うまく理由を付けて別れて、新たなパートナーを探すというのが、賢明な大人の女性というものです。
男性不妊は、貴女が思う以上に激増していますよ。
そして、男性不妊に気付くまでに時間を浪費し、気付いてからも難治ですので非常に時間を浪費してしまいます。
そうでなくても晩婚化している現在、貴女の「卵子の老化」を考えると、「種無し」による時間の浪費ほど後悔するものは有りませんよ。
まあ、それくらいしたたかにライフプランを組まないと正直この「種無し」激増時代に、カワいい赤ちゃんを貴女の手に抱けません!綺麗ごとでは済まないよ時代ですよ!ホント!
「種無し」はしょうがないとしても、治療すら非協力的って!そんなひねた性格が精子に悪影響を与えているのかも?
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<「男性不妊」治療に非積極的な実態明らかに> 2016年3月29日 日テレNEWS24
男性の「不妊」について国内で初めての大規模な実態調査が行われ、その結果が公表された。男性が不妊の検査や治療に積極的ではない実態が明らかになっている。
男性不妊の調査は、全国の不妊治療の専門医約300人と、看護師、不妊治療の経験がある患者約300人を対象に行われた。調査結果によると、男性の不妊患者は2014年の1年間だけで7253人いたという。男性の不妊患者が検査をしたタイミングについては、「女性の検査が終わってから」が47%と約半数に上り、女性が1人で不妊治療を行っている実態が明らかになった。
また、男性不妊の治療は生殖医療専門の泌尿器科を受診すべきだが、不妊治療の経験がある男性の約半数に当たる134人が「泌尿器科を受診したことはない」回答した。不妊治療を専門に行う泌尿器科医の数は全国でわずか47人しかおらず15の都道府県に集中していて、今回の調査でも男性の不妊患者からは、「専門医が少なく、近くに通える病院がない」などの意見が多数あったという。
また、男性不妊の原因の約8割が、精子がない状態の「無精子症」だが、EDなどの「性機能障害」も1割以上あり、増加傾向にあるという。「性機能障害」が増加傾向にある背景には、不妊治療へのプレッシャーが要因の1つとしてあると分析されている。
今回の調査を行った横浜市立大学附属市民総合医療センター生殖医療センターの湯村寧医師は、「不妊治療はカップルが2人そろって専門医を受診することが大切」だとしている。
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「ここ数十年で男性の精子の数が減り続けている」というのが現実です!!
もはや晩婚の場、男性の「ブライダルチェック」は必須のような気がします。
なぜなら結婚してから男性不妊を見つけたのでは、晩婚の場合そもそも遅すぎますし、不妊男性ほど「治療に非協力的」ときていますから・・・
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<精子数の減少によって「人類が絶滅する可能性」が研究者によって示される> gigazine 2017年07月26日 by Steve Corey
これまでに発表された研究内容やデータから、ここ数十年で男性の精子の数が減り続けているという見方が研究者らによって示されています。「精子の数が減っている」とする主張には懐疑的な目を向ける研究者らも存在しますが、新たな研究では、約40年の間に行われた200近い研究内容が分析され、現在の傾向が続けば「人類は絶滅する可能性」さえあることが示されました。
Temporal trends in sperm count: a systematic review and meta-regression analysis | Human Reproduction Update | Oxford Academic
https://academic.oup.com/humupd/article-abstract/doi/10.1093/humupd/dmx022/4035689/Temporal-trends-in-sperm-count-a-systematic-review
Sperm count drop 'may lead to human extinction' - BBC News
http://www.bbc.com/news/health-40719743
Sperm counts among western men have halved in last 40 years – study | Life and style | The Guardian
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/jul/25/sperm-counts-among-western-men-have-halved-in-last-40-years-study
1973年から2011年までに行われた185の研究を分析した結果、北アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・ニュージーランドで暮らす男性の精液の濃度が9900万/mlから4710万/mlになっており、年間平均1.4%ずつ減少していくことで、調査期間内で52.4%も減少していると判明しました。トータルの精子の数は59.3%減少していたとのこと。また、この減少率は現在も継続しており、国によっては加速傾向にあることもわかっています。
今回の調査を率いたヘブライ大学の疫学者であるHagai Levine氏は、「生活のあり方や環境、そして化学物質にさらされている現在の状況を私たちが変えなかったときの未来を、私は懸念します」「最終的に生殖の問題、そして人類の絶滅という問題を抱くでしょう」とBBCに対して語っています。
一方で、南アメリカ・アジア・アフリカで顕著な減少は見られなかったとのこと。しかし、これらの国々ではデータの元となる調査の数自体が少ないという点を研究者らは指摘しており、Levine氏は、最終的には南アメリカ・アジア・アフリカという国々でも精子の数が減少するのではないかと危惧しています。
ただし、この研究自体については賞賛しつつも、「人類が絶滅するかもしれない」という見方に対しては懐疑的な目を向ける専門家たちもいます。データの元となった研究の中には、不妊治療院を訪れた少数の男性を被験者として調査しているものなど、十分な研究結果とはいえないものが交じっているためです。また、「精子の数が減少している」という結果は、「精子の数が増加している」という内容の論文よりも出版されやすいという点や、初期の研究で用いられた測定方法は精子の数を過大評価していた可能性も指摘されています。
シェフィールド大学のAllan Pacey教授のように、「私は『近年、精子の数が減少している』と主張する数多くの研究に対して納得していませんでした。しかし、今日発表されたLevine氏の研究は、過去の研究の欠陥を、真正面から扱ったものです」と語る研究者もいます。Pacey教授は今回の研究は「間違いの可能性を減らしている」と評価しつつも、全ての間違いを取り除けているわけではなく、調査結果は慎重に扱わなければならないとしています。
「精子の数が減少している」という研究結果はいまだ議論のまっただ中であり、結論が出ているわけではありませんが、今回の研究は、これから行うべき調査の内容の方向を明確にする第一歩だと言えます。これまでの研究では精子が減少する明確な原因はわかっていないものの、農薬・プラスチックなどに含まれる化学物質や、肥満・喫煙・ストレス・食生活・テレビの見過ぎなどとの関連性が示されています。Levine氏は精子減少を引き起こす原因を特定し、「人工的な化学物質などに規制をもうけるなどして、私たちは行動を起こす必要があります。そして、喫煙や肥満といった問題の解決に取り掛からなければなりません」と語っています。************************************************************
中国の話とは言え、「種無し」激増の実態は深刻ですよ。
女性も、よーく認識しておかないと人生誤ります。
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<上海市の精子バンクが2004年に行った検査では、提供された精液のうち、十分な生殖能力を持った精液は全体の21%!> レコードチャイナ 2009-03-31
2009年3月30日、新聞晩報によると、上海市では少なくとも10万人の男性が不妊症患者であることが 29日に同市で行われた国際シンポジウムで明らかにされた。
中国には無精子症や生殖機能に障害を持つ男性が1346万人いると推測されている。
上海市では10万人以上に上り、同市で子供ができない夫婦の夫の精子を調べたところ、 精子に異常が見られるケースが増えていることが分かった。
また、同市の精子バンクが2004年に行った検査では、提供された精液のうち、十分な生殖能力を持った 精液は全体の21%にとどまった。
精子に異常が現れる原因は、環境汚染、ストレス、生活スタイルや食生活の変化などとされている。
世界保健機関(WHO)の統計によると、結婚後1年間経っても子供ができない夫婦は全体の10~15%で、 その半数は男性に原因があるとされている。
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<【中国】適齢期の不妊率が10%に、環境汚染等指摘> (サーチナ・中国情報局) - 6月3日
中国の出産育児適齢期の男女の人口の10%が不妊の状態だ。20年前には2%だったとされており、不妊人口は激増している。江蘇(こうそ)省・南京(ナンキン)市にある金陵男科医院の馬金涛・副院長は、生活環境に汚染物質が氾濫していることや、人工中絶の蔓延と大いに関係があると、指摘している。中国新聞社が伝えた。
金・副院長によると、金陵男科医院を訪れる不妊に悩む夫婦のうち、女性に原因があるケースは30%で、男性に原因があるケースは20%を上回る。双方ともに問題があるケースは50%にのぼっている。
不妊にはさまざまな原因があるが、環境汚染によって男性の無精子症が増加していると考えられている。また、中国でもダイオキシンによる環境汚染が進行しており、産業廃棄物だけでなく、プラスチックや殺虫剤、さらに家畜類の飼料に含まれていたダイオキシンを、結果として人間が食べることの危険も指摘されている。
また、非衛生的な性行為や性病、女性の場合には人口流産が蔓延していることも、不妊の原因になっている。
中国の医療現場でも不妊に対してはさまざまな方法で取り組んでいるが、馬・副院長は「効果は限定的なものである」として、「薬物治療を施した結果、妊娠するケースは10%、体外受精による妊娠率は40%で、出産に至るケースは33%、人口受精による妊娠率は15%」といった数字を挙げている。
また、馬・副院長は「不妊に悩む夫婦が、早く子を持ちたいとあせるあまり、原因もはっきりとわかっていないのに、病院から大量に薬をもらうケースが見られる」と指摘。「このことが、結果をさらに悪くしている」と警告している。
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2019/12/21(土) 00:00:01 |
環境破壊・エコ
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