~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<年金制度改革、社会保障審議会が検討開始…読売案など議論> /読売新聞
厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会」の年金部会は22日、年金制度改革の検討を開始した。
最低保障年金の創設を柱とした年金改革読売新聞社案などの基礎年金(国民年金)改革案などについて議論した。また年金の「全額税方式」の実現に必要な財源額などについて、厚生労働省が試算を行い、同部会で公表することを決めた。
年金部会には、政党、財界、労組、報道機関などが提言する年金改革案が複数提示された。「社会保険方式を基本とする改革案」として、読売案、朝日新聞社案、民主党案などで、「税方式を基本とする改革案」として、日本経済新聞社案、自民党議連「年金制度を抜本的に考える会」案、経済同友会案などが示された。 (→
筆者注:民主党案は、社会保険方式とされているが、事実上は税方式!誤記と思われる。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

社会保障審議会で年金制度改革についての議論が始まりました。
しかしながら、その前提たるや低レベルで、“社会保険方式”を“税方式”にするなどという。多少社会保障をかじったことがあれば、議論の余地もないことを話し合おうとしている。
欧米先進国で、“税方式”を採っている国は、ニュージーランドしかない。それがどういうことか分かっているのだろうか?
確かに、社会保険庁は無茶苦茶な管理・運用で日本の年金制度を信用できないものにしたことは確かだ。
しかし、そのことをもって、社会保険方式をやめて税方式にするというのは、短絡的な「坊主憎けりゃ…」的発想だ。
大体、“税方式”が素晴らしいみたいなことを言っているが、そもそも税は、「方式」では無く、その時に必要な金を課税して徴収するだけの話だから、年金としては完全な賦課方式に過ぎない。
個人毎の負担と給付は、全くリンクしていないので、正しい推計などできないし、その時の景気などにも影響を受けるため、結局は、将来世代へ負担を先送りするだけの話。
(そりゃあ税なら保険制度じゃないから、未納もなくなるし、「この保険料でこれだけの年金しかもらえないの?」といった不満も無くなる。 →本当は、現在以上に、スゴイ損なのだが、分からなくなる。)
そして、年金を税方式にするなら、そもそも税が公平で正しい制度であることが前提だ。
しかし、日本の税制度は、先進国とは思えないほど複雑な上粗雑で、不公平である。
直接税は、「トーゴーサンピン・クロヨン」と呼ばれ、所得捕捉率は、給与所得者約10割、自営業者約5割、農林水産業者約3割、政治屋約1割である。こんな異常な状態は、憲法違反でしょう!
他の先進国では、納税者番号を取り入れるなどで、こんな不公正は、とっくに解消しているのに、日本ではその目途すらない。
(…というか、こんな利権を、経営者や政治屋が手放すわけもなく、「プライバシーが…」とか言って、さらさらやる気無し。)
「日本の直接税は、累進課税で高額所得者には、厳しい」なんて話は、「正しい所得の捕捉があれば…」の話である。そんな話を素直に信じてると騙されるよ! そんな話は、政治屋のプロパガンダであって、大嘘なのだ。
そんな状態で、“消費税”を「福祉目的税にして年金の財源に…。国民みんなで公平に負担…etc」なんて、耳障りの良い話を持ち出してくる。
消費税は、逆進的な税で「公平」どころか著しく「不公平」。
直接税を、まともに徴収していない日本で、消費税のような逆進的な税(所得の低い人ほど、高い税率であるのと同じ。逆累進課税といってよい。)を上げることは、正義に反するね!
他の先進国では、みんなが所得に応じちゃんと直接税を負担しているからこそ、もうこれ以上は直接税でなく消費税でというコンセンサスが生まれるのだ! ある税方式案では、基礎年金のために、「7%消費税を上げる」というが、年収1億の人でも、年収50万の人でも、100万使えば、7万の負担である。
最低限の生活でも、200万ぐらい消費支出はするので、国民年金保険料ぐらいは、消費税を払うことになります。新車でも買って、1000万ぐらい消費支出する年には、70万も負担することになりますよ。(現在の国民年金保険料を4年分以上払えるね。)
皆さんも冷静に自分の消費支出額を考えてみてください。
その7%も基礎年金のために払うのですよ!
大半の現役世代は、国民年金保険料より大幅に負担増えますよ、ホントにいいの?
そして恐ろしいのは、税方式では、負担と給付がまったくリンクしないので、どんなに消費税を払っても給付が増えるわけもなく、国民年金保険料と違って免除も延納もありません。
生活保護を受けている人でも消費税は、払わなきゃいけないのですよ!
まさに、「取りやすい所から取る」の典型。
「後期高齢者医療制度は、年金から天引きでヒドイ」なんて言っているが、ヒドサのレベルが違いますよ。年金受給者からも事実上、年金保険料を取るのですから。
本当に国民は、注意しないと社会保険庁がダメなのと、年金制度の財源方式としての“社会保険方式”がダメなのとは、違うのですから…。
※ 「なぜ、他の先進国が採用していない税方式を、政治屋・経営者団体は、強力に推すのか?」 (国民の老後のため?いえいえ!) ↓
・年金財源を一度“消費税”に振ってしまえばこちらのもの、今後、財源は、消費税率を上げるだけで済む。
・消費税で財源が確保できれば、直接税(所得税・法人税)を上げられないで済む。
・消費税で財源が確保できれば、日本の不公平な(政治屋・経営者…に有利な)直接税の改革(納税者番号制…)をしなくて良くなる。
・少なくとも基礎年金部分に対する厚生年金の事業主負担分がなくなる。
・消費税は、逆累進課税なので、「どの道何らかの形で財源として確保しなければならない」のであれば、高額所得者(政治屋・経営者)に最も有利な財源だ…。
・未納も解消、責任逃れられる(未納者の分も結局みんなで負担するということ。平均的には未納者は消費支出少ないだろうからその他の人がワリを食う。)
・道路特定財源と同じで、福祉目的税なんていっても結局は、うまい理由つけて年金以外にもどんどん流用しちゃおう! こんな簡単な政治屋や経営団体のホンネも読めずに“税方式、税方式”といっている野党・労組のバカさ加減には正直あきれ果てますね。
(野党や労組は、机上の理想論で税方式を推している。→社会主義者にありがちな教条主義的、脳内お花畑的、性善説学者バカの集まり…)
このままでは、政治屋や経営者団体は、当然自分たちに圧倒的に有利な“税方式”を強力に世論誘導してきますよ。
新聞社(特に読売)は、ようやくそのホンネに気付きだしましたので、頑張って国民を啓蒙してもらいたい。
国民も、そろそろ「社会保険庁が憎いから社会保険でなく税へ」なんて感情的な判断でなく、冷静に目覚めて正しい選択をする時です。
このまま政治屋や財界の世論誘導に乗り、バカな野党を“場の雰囲気”で支持して、政権与えると、「税方式」になって結局は、より格差社会になります。
そのとき「こんなハズでは…」なんて思っても、あとの祭りですよ!
<コラム>未納は、“社会保険方式”のせい? 未納問題があるから“税方式”にという論調もあるが、全く見当違いの意見で、悪質な世論誘導の香りがプンプンしますね!
“社会保険方式”が未納問題を起こすのであれば、他の先進国は、どこも未納問題で苦しんでいることになるが、そんなマヌケな国は日本だけ。
日本の未納問題は、そもそも、“社会保険方式”の問題ではなく、「社会保険庁の怠慢」・「縦割り行政」・「徴収を税など他の歳入と一本化するなどの工夫の無さ」の問題なのだ。
もうひとこといえば、政治屋・財界は意図的に問題にしないが、国民年金の未納などより、日本の場合「トーゴーサンピン」の所得補足率の違いによる、所得税の未納の方が、本質的に大問題なのだ。 他の先進国のように、納税者番号を導入し、所得の捕捉率を高め、全ての所得を名寄せし、総合課税とすることで、現在は払わないでごまかされている莫大な所得税が納税されることになる。 ←そして、これは、給与所得者である庶民には、ほとんど影響ない。困るのは、政治屋・自営業者…。
財政厳しい折、莫大な税源であるココに手を付けない法は無い筈。
野党・労組というのは、こういう点を問題化していくべきなのだ!
※頭を冷やすのに良い記事
↓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<年金の税方式 3つの視点> /(読売新聞より)
すべての年金加入者に給付される国民年金(基礎年金)の財源を、全額税金で賄おうという年金の「税方式化」は、年金の未納・未加入問題を解決するための一つの選択肢となりそうだ。ただ、年金の概念を根本から変えるだけに、少なくとも三つの視点から議論を深める必要がある。
■給付対象 線引きは
記録漏れ問題をきっかけに、年金制度に対する国民の不信感が高まり、安定した制度作りが急務となっている(6月、名古屋市内の社会保険事務所で)
第一は、給付対象の線引きをどうするかだ。
現行の社会保険方式は「保険料を納めた人が給付を受けられる」仕組みで、給付対象は明確だ。一方、国民の税金で全額を賄う方式にすれば、高齢者全員が給付の対象となるが、本当に一律の給付を行うかどうかの議論がまず必要だ。
高齢者と言っても、高額所得者も資産家もいる。そうした人たちにも一律の給付を行えば、必要な財源が膨らむからだ。財務省によると、今年度に、全員に月額6万6000円の基礎年金を給付した場合、未納・未加入の人にも給付するため、必要な財源は現行方式による国庫負担額(約7兆円)の約3倍の約22兆円に上るという。財源を圧縮するには、一定以上の高額所得者や資産家への給付額を制限せざるを得ないが、どこで線引きするのか、どうやって所得や資産を把握するのか、具体論が欠かせない。
また、現在は外国人も保険料を一定期間納めていれば給付を受けられるが、税方式ではどうするのかも問題となりそうだ。今後、外国人労働者の増加が見込まれる中、居住年数などの条件を付けないと、「ただ乗り」が続発しかねない。
■納付済み保険料 どうする
第二は、これまで納めた保険料をどうするかだ。
税方式になれば、未納・未加入だった人にも給付が行われるわけで、きちんと保険料を納めてきた人が納得できるような措置を取ることが求められる。少なくとも、これまで納めた保険料を年金加入者に払い戻すぐらいはしないと、理解を得るのは容易でない。
しかし、経済同友会が2004年に行った試算だと、現行の年金制度を1999年度末に清算した場合、保険料を払い戻すだけでも280兆円が必要だった。ところが、厚生年金の財政見通しによると、2006年度末の積立金は160・8兆円に過ぎない。その財源負担をどうするのか、あるいは、保険料の払い戻しすら一部カットするのか、ここでも具体案がないと議論が進まない。
■企業の負担は
第三は、企業(事業主)の負担をどうするかだ。
経団連などが税方式化に前向きな背景には、現行の保険料は労使が折半しており、税方式にすると、その分企業の負担が減るという側面が見逃せない。だが、社会保険方式を採用している欧米諸国でも、企業の保険料負担は折半以上が普通だ。国際競争力を増すための法人税減税の議論とは別に、年金については企業負担も含めて、財源論議を進めていく必要がある。
年金改革で最も重要なのは、国民的な合意だ。欧米諸国では社会保険方式が圧倒的で、税方式を採用しているのはニュージーランドなどにとどまるが、メリット・デメリットは何か、消費税率の引き上げ幅だけでなく、制度の中身に踏み込んだ議論が欠かせない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


スポンサーサイト
- 2008/04/25(金) 00:23:38|
- 時事
-
| トラックバック:1
-