<プロローグ>あなたは、この惨憺たる日本の道路の現実をご存じだろうか?
※他国と比べ恥ずかしくなる 「絶望的に狭い高速道路!」
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※大型車が楽にすれ違える国道は25%しかありません!
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※ほとんどの生活道路にいたっては、乗用車のすれ違いすら困難!
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※絶望的に狭い道路に立ったままの電柱!
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※他国と比べトンデモ無く狭い道路の引き起こす悲劇 → 歩行者・自転車の交通事故死亡率の異常な高さ!
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<本編:日本の交通事故の実情を正しく知ろう!②>
前回に引き続き、日本の先進国とは思えないような道路事情が惹き起こす交通事故の実情レポートです。
日本の道路・交通行政が、いかに低レベルで破綻しているかは、警察・国土交通省が発表するマスコミ報道からは、見えてきません。
当然、警察・国土交通省は、自分たちに有利な「交通事故死者の減少」だけをクローズアップして喧伝します。
(道路・交通行政の担当として責任問題になりますから…)
そして、マスコミは、以下の理由により・・・警察・国土交通省の発表をそのまま垂れ流します。
※(マスコミが警察・国交省のプロパガンダを垂れ流す理由)
・そもそも記者の専門分野でもなく、自分の頭を使って、統計資料を読み込む力も意思もないので、公式発表をそのまま垂れ流しているだけ。
・警察や国交省の発表が、自分達に都合の良い情報だけのプロパガンダだと分かっていても・・・それは、「自動車業界」というマスコミにとって“最大の広告スポンサー様”にも不利益になる情報であり、マスコミはあえて、ご機嫌を損ねてまでこの問題を取り上げません。
確かに「交通事故死者が減る」ことは、重要です。
しかし、本来、それは交通事故発生件数を減らすことと連動して、達成すべきものです。
つまり、死者と同時に「交通事故発生件数」・「負傷者数」が減ることが、非常に重要なのです。
自動車の安全装備・安全基準の強化によって、“自動車搭乗者の死亡者”だけを突出して減少させるだけでは、片手落ちというものです。
警察・国土交通省の“大本営的”発表だけを聞いていると、ごくごく普通の国民は、「交通事故死者が減って」 → 「日本の道路は、安全だ・・・」 → 「日本の交通行政は、大成功・問題無し・・・」といったイメージを持ってしまうでしょう。
これこそ、役人の事勿れ主義・自己保身が際立つ、非常にいやらしい報道戦略です。
そもそも「交通事故死者」というのは、技術的な要因で減少できる部分が大きいのです。
車両の安全性は、日進月歩で技術は進歩し、安全基準も強化されていくので、事故死者(自動車搭乗中)の減少に大きく貢献します。
また、救急医療体制や医療技術も、時が経つほど進歩しますので、交通事故による致死率は下がります。
そして、少子高齢化により、相対的に重大事故を起こす率の高い若年層が、激減する傾向にあることも、交通事故死者の減少に繋がります・・・。
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※図録交通事故件数・死者数の推移 /「社会実情データ図録」より

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上図を見ていただければグラフを読める人なら一目瞭然、実際のところ大きく減っているのは“交通事故死者”だけなのです。
逆に、貧弱な後進国的道路(歩道)環境の改善はしないまま、国民の安全のために戦後一貫して堅持してきた「3ナンバー規制」を撤廃するという戦後最大ともいえる失政(平成元年)以降…
→ それまで自動車保有台数の増加率と同レベル乃至それ以下でしか推移していなかった「交通事故件数」は、自動車保有台数の増加率を、はるかに超える増加率で増加します。
・・・もともと幅員が狭く、歩道も充実していない日本の道路に、北米仕様の巨大な車が増加するワケですから、事故が増えることは自明の理でした。
明らかに日米貿易摩擦解消の名の下に、米国の利益のために国民の安全を売り渡した「3ナンバー規制撤廃」の負の効果です。
そして皮肉なことに、「3ナンバー規制が撤廃されたことによる車両の大型化」「安全装備・安全基準の強化」により「自動車乗車中の死者」だけは順調に減少しました。
交通事故死者の減少の7割方は、このブログで何度も取り上げている通り、「3ナンバー規制が緩和されたことによる車両の大型化」や「安全装備の充実」「安全基準の強化」による「自動車乗車中」の死者の減少によるものなのです。
グラフを見れば、交通事故死者だけの特異な動きに、如実に現れています。
警察・国土交通省・自動車メーカーは、「3ナンバー規制撤廃」による負の側面が、国民に知られると非常に不利益を被る点で利害が一致しているため・・・
「3ナンバー規制」撤廃後は、交通安全に関するプレスリリース・広報・報道は、一貫して「交通事故死者」の減少を、まず第一に、大きく取り上げる傾向があります。
「3ナンバー規制」撤廃後の「交通事故発生件数」・「負傷者数」が、自動車保有台数の増加率をはるかに超えて、増加したことには、一切触れない大本営的姿勢をとり続けています。
そして、この問題を取り上げるべきマスコミも、役人の発表の裏を読み解く能力も無いので、ただ与えられたプレスリリースを鵜呑みにして、そのまま流すだけ。
たとえ、一部の記者がそのプロパガンダに気付いたとしても・・・
・警察・国土交通省との関係が悪化すると、報道機関として様々な情報入手が困難になることへの配慮
・自動車メーカーは、マスコミの広告クライアントとして、最大のシェアを占めるお得意様という利害
↓ マスコミにとって最大のスポンサーに不利益となる、このような問題には触れないことが不文律となっているでしょう。
「国民の生命・安全」を「日米貿易摩擦解消のため」とはいえ、米国の利益のために売り渡した「3ナンバー規制撤廃」は、戦後の悪政の中でも格別なものであることを理解してもらえたでしょうか?
(まとめ)結局のところ、簡単にまとめると3ナンバー規制撤廃後の交通事故の状況は、以下のとおりです。
※人車分離という道路交通行政の基本もままならない後進国的道路は、一向に改善されないのに・・・
→日米貿易摩擦解消のため「3ナンバー規制」撤廃。
→ムダに大きくなった車のおかげで、「自動車乗車中の交通事故死者」は減少。
→そのかわり、巨大でハイパワーな車の増加により、交通事故発生件数は、急増。
相対的に交通事故死者に占める歩行者(特に65歳以上の老人と子供)が増加。
*もっと端的に表現すれば・・・※日米貿易摩擦解消のため「3ナンバー規制」撤廃したおかげで・・・
→「自分だけ安全な“3ナンバー車”に乗った若者によって、道幅も狭く、人車分離もままならない“後進国的道路”で、老人や子供が跳ね飛ばされている。」・・・という状況なのです。
(つづく)



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- 2017/03/28(火) 00:00:35|
- 社会・安全
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