私が非難し続けている顧客・消費者を無視したFP資格の不明朗さ。
その根幹は、“せっかく国家資格が出来てスッキリするチャンス到来” → “試験実施団体の既得利益調整の末” → “妥協の産物として、怪しげな英語名の民間資格が、民間資格に過ぎないのに、何と無く国家資格に関連あるかのような形で残された。” → “FP資格の不明朗さ”へ
(大体AFPとCFPがそんなに素晴らしいなら、変に国家資格とウヤムヤなリンクをしないで、それだけでやってくれりゃいいのに…国家資格より質が高いそうだから…。そうすれば、FP資格も随分スッキリしていたのに。そうでなければ、民間資格なんか国家資格が出来るのだから社団法人金融財政事情研究会のようにスパッとやめるのがスジ…顧客・消費者のためにも!)
このことにより、顧客・消費者の苦情が増加し問題化、ついに朝日新聞の土曜別刷「be」で大きく取り上げられました。一部私見と相違する面もありますが、いずれにしろ
FP資格の現状は、資格運営団体(特にFP協会)の利益だけが考えられていて、本来重要なFP顧客・一般消費者の視点に立っていないという立脚点では、非常に、まっとうな記事なので、全文引用しておきます。
(しかしながら、国民生活センターへの苦情が、倍増しているとは…。国家資格を必置資格化して、健全化しないとFP協会ばっかり儲かって、FPビジネス自体のイメージは、いよいよどん底だね!
三大紙の記事にも取り上げられるようでは…。本当に顧客・一般消費者にとっては、(英語も出来ないのに)英語三文字資格をぶら下げて、鼻ひげ生やして、いい気になって顧客をだまくらかしている輩は、商品取引屋・先物屋・未公開株屋などと同じようなイメージになりつつあるのでは…。その上このFP協会という団体は、自ら金にまつわる犯罪を犯しまくるし…。どれだけFPのイメージを下げれば気が済むのか。
大体、他の資格で、その資格者にだまくらかされないようにと三大紙に注意喚起される資格なんて見たことない…。
このままでいいのFP!個人的には、非常に憂慮しています。)
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朝日新聞be 07/6/23 より)*****************************
「ファイナンシャルプランナー 資格なぜか二本立て」
~行革の流れで「国家」参入「民間」劣勢に~

家計や資産運用について専門家の立場からアドバイスしてくれる「ファイナンシャルプランナー」(FP)は頼りになる存在だ。所得が伸びず、年金への不安が募り、超低金利が続く中で、その役割はさらに高まると期待されている。でも、業界事情を調べてみると、資格が「国家」と「民間」の二本立てになっていたり、中立のはずなのに特定の金融商品を薦められるケースがあったりするなど、課題もある。(小山田研慈)
今月6日、東京地裁で小柄な初老の男に有罪判決が言い渡された。NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(FP協会、加藤寛理事長)の元幹部による背任事件だ。検察は公判の中で、協会の金3400万円を懐に入れていたと指摘した。
4年前には、財務省出身の元衆院議員の政治資金規正法違反事件に絡んで協会幹部が事情聴取された。事件と直接関係はなかったが、元議員のパーティー券を購入したり、イギリスの国際会議に招待したりするなどしていた。
こうした問題に、事情を知る関係者は協会の「弱さ」を指摘する。「組織が脆弱(ぜいじゃく)で、チェックが利かない。業界の地位を上げたい悲願があり、いろいろ無理もあった」
FP協会の歩みは平らではない。米国で普及していたFPを日本に導入しようと87年に金融機関や経済雑誌の有志らが設立。民間資格の「AFP」「CFP」を広めてきた。しかし、「ファイナンシャル・プランニング技能士」という国家資格が02年度にでき、事情が大きく変わった。
財務省など所管の社団法人金融財政事情研究会(金財)の金融業務の資格が行革の流れで廃止となり、関係省庁などとの調整の結果、代わりに新設されたのがFP技能士だった。FP協会内には「国家資格ができたら、そちらに流れてしまう」との反発もあったが、最終的には「置いていかれるより乗った方がいい」(関係者)と賛同。自前の資格を運営する一方で、国家資格の試験実施機関になった。
予想通り、「国家」のブランドは強かった。06年度までの5年間で取得者は約43万人と「民間」の約3倍に。世界19カ国・地域で使われている、いわば本家の民間資格は国内では劣勢だ。
FP協会は案内パンフで、国家資格と違って更新が必要と、質の高さを強調する。
■受験者も利用者も「?」
実は、国家資格と民間資格は相互に乗り入れしている。国家2級と民間のAFPは試験が共通で、国家1級と民間CFPは同格扱い。初歩の3級は国家資格のみ。共存させるためにできた体系だ。
「なぜこんな仕組みになっているのかいまだに理解できない」。5月に試験を受けた東京都江東区の川口博史さん(37)は首をかしげる。ネット検索でたまたま見つけた国家資格を受験。試験前夜に民間資格の存在を知った。
資格受験学校「TAC」(東京)では受講生のほとんどが二つの資格の違いがわからず、説明を求めてくる。FP講座担当の児玉晋さん(37)は「一本化した方が知名度が上がるのでは」と話す。
都内のベテランFPは、顧客から「国家資格と民間資格とどちらが信用できるの?」とよく聞かれる。「まあ一緒です」と答えるという。このFPは両方の資格を持つ。民間資格を持つ人の多くは「保険」として国家資格も取るケースが多いようだ。
複雑な資格制度とは別に、FPの中立性をめぐる問題点もこのところクローズアップされてきた。国民生活センターによると、FPを含む金融コンサルティングに関する相談件数は00年度は133件だったが、06年度は253件に増えている。
「FPに相談したら、特定の会社の火災保険をしつこく薦められ、不審に思った」という相談もあった。また、ある女性は、数千万円の貯金があるのに「FPの資格を持つメガバンクの行員から、老後はあと1億円必要と自社の変額年金保険を薦められた」。
FPはもともと金融機関向けの資格。営業のために資格をとる場合が多く、どうしても自社の商品を薦めがちになる。一方、独立系のFPもまだ認知度が低く、十分な収入を得ている人は多くない。顧客に最も適した保険より、自分に入る手数料が高い保険を薦めてしまうと漏らすFPもいるという。
■とりまとめ役不在
「生活設計塾クルー」の代表で業界最長のキャリアを持つFP野田真さん(58)は「消費者からすれば資格制度は一つのほうがわかりやすい」。中立性については「人のお金を扱う仕事であり、問題があった時は罰則を伴う法的整備も必要ではないか」と話す。「家計の見直し相談センター」代表のFP藤川太さん(38)も「FPと金融機関との関係をお客さんがすぐわかるような仕組み、情報公開が必要だ」と提案する。金融審議会(首相の諮問機関)の中でも、FPを登録制にすべきだとの意見が出ている。
しかし、業界全体のまとめ役がおらず、こうした課題に取り組む動きはみられない。
金融財政事情研究会は受験者全体の7割強を引き受けている。FPの資格検定の収入が05年度に10億円を超え、全収入の3分の1になった。しかし「うちはあくまで試験機関というだけ」との姿勢だ。FP協会も制度全体には言及できない。国家資格の所管は厚生労働省だが、「労働者の知識を証明する資格であり、消費者のためというと、別の官庁の出番になるのではないか」(能力評価課)。金融庁の動きもない。野田さんは言う。「消費者も勉強して少しでも理論武装してほしい。そうすればFPも危機感を持ち、変わってくると思う」
◇
参考情報 「ファイナンシャルプランナー」という肩書は一般的な名称で、極端にいえば誰でも名乗ることができる。国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士」は資格がないと名乗ることはできないもので、名称独占資格という。ちなみに弁護士や公認会計士は資格をもたないとその仕事ができない業務独占資格だ。
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- 2007/08/29(水) 14:24:19|
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前回までは、資格選びに際して、その認定者(国or民間団体)の違いによる資格選びについて、話してきました。
今回は、資格の内容による取得すべきランキングです。
※資格の内容による取得ランキング
1位:業務独占資格
2位:必置資格
3位:名称独占資格、検定
{解説}
※「業務独占資格」とは、有資格者しか行うことができない業務が法律で規定されている国家資格のこと。
(弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、行政書士、社会保険労務士、弁理士、医師、看護師、etc)
無資格で業務を行った場合は違法行為となる。憲法で保証される職業選択の自由を制限してまで、公共の福祉のために設置される資格であり、
資格の王様的存在。
※「必置資格」とは、一定の業務を行う事業者に設置することが必須とされている資格のこと。(宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法により、事業所の一定の従業員数に対し1人、専任の宅地建物取引主任者をおくことが必須。)また、民間資格でも、証券会社の営業マンは、証券外務員資格が事実上必要である。いずれにしても、ある職業分野に就くために必ず必要な資格。
※3位の「名称独占資格」とは、業務そのものは資格がなくても行うことができるが、有資格者でないとその資格名を名乗ることができないもの。
(社会福祉士、介護福祉士、調理師、中小企業診断士、FP技能士、AFP・CFP…etc。)
検定も名称独占資格と考えてよいでしょう。(資格の厳密な分類上は、違うのでしょうが、一般的な理解としてはこれでOK。)
「名称独占資格」は、極論すれば、国家が職業選択の自由を制限してまで規制するほど国民生活にとって重要度・影響度は無いと考えている業務・分野に関するものであるということでしょう。
まあ取得しても、自己啓発(自己満足)、名刺や履歴書に書けるといった‘ハク’を付けることが一番大きな意味かもしれません。別に資格が無くてもその業務は行えるわけですから、本当に実力がありお客様も獲得できる人には必要が無い資格。
{結論}資格選びで、悩むようなら、まずは業務独占資格。必置資格は、悩むというより、就いた職業により必要となるので会社に取得するように指導される場合も多いでしょう。
名称独占資格は優先度としては、最後順位。


- 2007/08/27(月) 14:17:58|
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(前回の続き)
他にも、FP協会の資格の“すごい仕掛け”は、CFPが“国際資格”なので、当然似たような名前のAFPも“国際資格”なのだろうと思いがちですが、AFPは純然たる国内資格なのです。別に、国内資格に英語三文字の名称を付けてはいけないという法があるわけでもないので、FP協会が悪い事をしている訳では有りませんが…。
一般の日本人の感覚としては(特に高齢者なら尚更)A・B・Cというと学校等の成績をはじめ、A(上級)~C(下級)という語感を持っているのが普通でしょう。CFPより下なのだから、本当はDFPあたりが良かった…(笑)。そこを、2級FP技能士試験を流用する民間資格を「
AFP」と名付けるあたりのあざとい‘あきんど感覚’…。このへんのこの団体内での資格構成は、本当に、もう「お見事・お見それしました。」的な、大阪商人のしたたかさを見たようなさわやかな感動さえ味わってしまいます。 (お得意の言葉と実態のイメージギャップ戦略!、さすが悪名高い保険業界のお抱え協会だけのことはある。)
但し、FPというものについて全く基礎知識のない顧客に対しては、誤解を招く、消費者保護にかけるネーミングだ思われますね…!金融機関もコンプライアンスとか何とか言っているんですから、こんな善良な高齢者をだまくらかすような「AFP」とか「CFP」とか「FA(なんてのを勝手に置いてる金融機関もあるよ)」素人じゃわからないインチキくさいアルファベット資格は、そろそろ止めにして、一般の高齢者でも序列が分かり易く、国家資格でもあるFP技能士を必置資格にしないといけない時期だと思いますね。オレオレ詐欺の集団じゃないんだから。皆さんも騙されないように!!
金融機関なんて、ことほど左様に消費者だまくらかすような体質なんだから、まあ、最近でいえば、日興コーディアルグループ・三菱東京UFJ銀行・保険金払わない保険各社…氷山の一角ですが…。こんなこと続けてると一般の国民からFPというものが胡散臭い訳の判んない輩としか映らないんじゃないの!)
※一般人には理解しにくいFP資格の相関図
〔国家資格〕 〔民間資格〕 (備考)
1級FP技能士
CFP (1級FP技能士の学科試験は免除、
「国際資格」=日本で認定されたCFPであると明記すれば
CFPという商標を他国でも使えるという意味」)
2級FP技能士 AFP (試験は流用、CFPみたいな名前でAがつくから上級かと思わ
せて実は下。英語三文字の資格なのに「国際資格」でもなんで
もない。)
3級FP技能士
<後記>
私も、国家資格になったことで、FP技能士を取得するまでは、AFPについては、「生保のおばちゃんたちがバブルがはじけて以来、飴玉配る顔つなぎ営業じゃ商売にならなくなってしまったので、外資よろしくコンサルティング営業を始めざるを得ないが、何の看板もなしでは、話にならないので、生保業界がAFPという資格をどんどん取らしている」くらいの認識しか、正直ありませんでした。
(実際、少し前までは、AFPの試験は、かなりいい加減で、生保会社が大量に養成するために、試験は自社内で実施。「カンニング・解答を教える・皆で教えあい…受ければ皆合格」なんて当り前のように行なわれていたことは、業界の人なら暗黙の了解で、知らない人はいないでしょう。こんなのが、国家資格とリンクしたんだから、昔取ったおばちゃんはラッキーだったね! でも個人的には、せっかく国家資格を作るなら、こんなのと無関係にしたほうが良いと思ったのですが…。生保会社とFP協会の政治力は強いんでしょうね…。こんな資格から始まっているから、日本のFPビジネスは、何と無く胡散臭さから逃れられないのでしょう…)
まあ是非はともかく、それは一昔前の話で、AFP・CFPは、「資格ビジネス」の最終進化形となったと認識を新たにしました。
FP協会は、ある意味資格ビジネスの新しいビジネスモデルを作り上げたといえるでしょう。
ただ、ビジネスモデルとしての評価を別にすると、実際FP技能士を受けた私ですらようやく理解できた、この資格(AFP・CFP)の複雑なリンクを、一般国民、消費者、これから受験する人たちは、正しく理解できるのでしょうか。
そして、この資格が垂れ流しているイメージと実態との乖離をこのまま放置しておくことが、FPビジネスにとって良いことなのか、個人としては、疑問が残ります。
FP業も、不動産業界における宅建主任者のように、国家資格を必置資格とするべきではないでしょうか。


- 2007/08/22(水) 22:21:37|
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{コラム:日本語で取れる「国際資格:CFP」} 個人的に、数ある「資格ビジネス」の中で驚嘆しているのは、FP協会の「CFP」です。資格ビジネスの‘最終進化形’と言えるのではないかと私は考えています。「資格ビジネス」の最強モデルといえるでしょう!
資格を認定しているような団体は、大体天下りの官僚体質で、殿様商売・商売下手な場合が多いのですが、ここは別。ビジネスに対する嗅覚が、鋭敏です。商売下手な資格教育スクールなど足元にも及ばないビジネスセンスがあります。
※それは、どういうことでしょうか?
FPに関する資格は、FP技能士という国家資格ができましたので、通常の場合、既存の民間資格は、統合されてなくなるのが普通です。
しかしFP協会の民間資格(AFP CFP)は残り(残し)ました。
これだけだと、国家資格でない民間資格なんて、あまり相手にされなくなるところです。
そこでAFPは、実際は、民間資格にすぎないのですが、試験を2級FP技能士と同じという形で、国家資格と何か関連あるかのような、絶妙のリンクをかけたのです。(本当は、まったく別個の民間資格なのですから、まったく別の試験をするのがスジなのですが、このやり方だと国家資格の試験を1回開催するだけで、民間資格AFPの試験も実施したことに出来てしまうので試験コストは半分になり、FP協会としては一石二鳥。)
そして、試験は、2級FP技能士試験を流用し、継続教育等のプラスアルファを付加することで、認定者から永続的に、年会費等を徴収するかわりに、AFPという、なにか国際資格かのような体裁の良い名称の民間資格を名乗る権利を与えます。
CFPに関しても、CFP自体は、民間資格なのですがCFP認定者は、1級FP技能士の学科試験は、免除されます。AFPのように2級FP技能士試験とイコールには、できませんでしたが、民間資格を取得するだけで1級FP技能士という国家資格の二つの試験(学科試験・実技試験)のうち一つを免除されるというのは、大きな魅力でしょう。
(FP技能士の国家資格化における利害調整の結果なのでしょうが、まったくの民間資格と国家資格がリンクしているというのは、前代未聞では?他に例があるとしたら、皆様ぜひ教えてください!)
これだけでも、十分すごいのですが、CFPは「国際資格」(まあ実態は米国資格のフランチャイズみたいなものですが)でありながら、なんと‘日本語’で受けられるのです。(これも前代未聞では?他に例があるとしたら、皆様ぜひ教えてください!)
これは、誰が考え出したのか知りませんが、本当に資格ビジネスとしては尊敬に値します。コペルニクス的展開といえます。今まで、「国際資格」を取るというと、まず、そのレベルまで、英語を使いこなせないといけなかったのですが、日本語で取得できるのです。
「国際資格が日本語で取得できる!」これはすごい売りですね。これは、資格ビジネスの世界に新しい地平を開いたと思いますね、正直。
そんなCFPですが、ほめすぎましたので、苦言を呈するとすれば、CFPは日本語で取得できる国際資格ですが、「CFP®認定者は、米国及びFPSB加盟国・地域のCFP®認定者と同等に評価され、
日本で認定されたCFP®認定者であることを明示することにより、日本国外においてもCFP®商標を使用し業務を行うことができます。」(FP協会サイトより引用)
つまり、日本語で取得できるかわりに、仮に取得しても、米国で名乗る際には、「私は、CFPです。」とスッキリ名乗ることは出来ず。「私はCFPですが、
あくまでも日本で認定されたCFPです。」と注釈付でなければ契約違反になってしまいます。(当然といえば当然ではありますが、私もジックリ調べるまでは、そう思っていなかったのでガッカリ!これでは私には国内資格と変らないように思えてしまいました。結局、何の注釈も無く「私はCFPです。」といえるのは、日本国内だけなんですから…。こんな国際資格ってほかにも有るのかしら? 知っている方がいたら教えてください!)
このため私は、取得するのをやめました。もしCFPが必要なときが来たら私なら米国で取ります。「私は、CFPです。」と素直に名乗れるように…。しかし、まあ、このことをどう考えるかは、人それぞれでしょう。 (実はCFPを取得している人でもこのことを正確に理解している人は少ないようです。あくまで国内で認定されたCFPは、国内での商標許諾を得ているだけなので、他国ではそのことを正しく注釈しないとCFPという名称を使用できないのです。アメリカで「I am CFP.」なんてストレートに注釈なしで表現して、いい気になってFP業務を行なって、訴訟されない様に気を付けてね!)
そもそも、こんな注釈つけなくてはいけないのでは、正直個人的には“国際資格”という言葉と実態のギャップが、大きすぎると思います。これじゃ、弁護士が、アメリカへ行き、「私は、日本の弁護士です。」というのと実質的な違いはないじゃないですか。個人的には“国内資格”と呼んだほうが、正確な実態を示していると思いますね。
(編集後記)
そもそも英語も出来ず、日本語で試験を受けて、日本の金融商品についてしか知識がないのに、国際的に通用する訳なんかある訳もなく、ごく常識的な人間が持つであろうイメージとしての“国際資格”と実態は、猛烈なギャップがある。単にCFPという商標を、日本でCFP認定されたものであると明記すれば、米国等でも一応使用許諾されるという契約関係を“国際資格”と呼んでいるに過ぎないのです。
ただ、巧妙なのは、“国際資格”という言葉自体に、厳密な定義があるわけでないので、この商標許諾関係を“国際資格”と呼んでも、何も悪いことをしているわけではないことだ。実態としては、受験料や更新料という名目で、米国資格の商標使用料を支払っているということ。非常によく出来たイメージギャップ戦略だと思う。
実際のCFP資格者の実態は、大半は英語ができず(大体、英語ができて海外で、真剣にFPビジネスをしようという人はアメリカでCFPを取得するでしょう。)、その上、アメリカの金融事情についての知識も、少なくとも日本の試験では全く担保されていません。
資格ビジネスとしては、“国際資格”という言葉に明確な法的定義があるわけもないので、FP協会がどういう意味でこの言葉を使おうが、まあ問題は、ないでしょう。(というか、資格ビジネスとしては、“国際資格”という言葉の一般的なイメージとこの“国際資格”CFPの実態との遥かなギャップを考える時、狡猾な商売するな~と感心します。)
その上、笑えないのが、実際CFP認定者自身が、英語も出来ず、アメリカの商品など知るわけもないのに、日本語で取得した“国際資格”認定者として、鼻ヒゲはやして、えらそうに能書きたれている…実際は海外では「日本で取ったCFPです」としかいえないことも知らず…悪意がないだけに、実態を知る者にとっては、逆に痛々しい感じだ。
しかしながら、“資格ビジネス”としての評価とは裏腹に、FPビジネスの顧客のことを考えるとき、私は暗澹たる気持ちになります。FP資格を持つ私ですら、実態を、なかなか理解できなかった“国際資格”CFPです。
一般の顧客は、「“国際資格”CFP認定者です。」と言わて、まさか「その大半は、英語もできず、アメリカの金融知識も担保されていない」というイメージを抱けるでしょうか?
逆に、「英語で専門の試験を受けるほど英語に堪能で、最新のアメリカ金融事情に詳しい…」といったイメージを抱いてしまうでしょう。(CFPにとっては、それが思う壺・ネライなのでしょうが…)
私見では、これは本当にFP業界にとって憂慮すべきことだと思います。こんな意識で、本当に顧客の人生を豊かにするFPなんてできるのでしょうか?入り口から騙しでは…。こんな姑息な権威付けすること自体が、既に潜在的・無意識的にFPビジネスを胡散臭くしてしまうのではないでしょうか…。金融商品取引法もできて、金融関連業界は、よりコンプライアンス・正確なアカウンタビリティが求められる時代になりつつ現在。FP業界の資格が、こんなイメージギャップを利用した、実態と乖離した“国際資格”では、どういうものかと思いますね!
FP顧客の皆さん!騙されないようにね…!


- 2007/08/22(水) 16:08:34|
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前回、具体的な資格をいくつかの職業・分野別に列記しましたが、顕著な傾向として、いわゆる“国際資格”が増えてきました。
確かに、国際化が進み、重要性が増してきたことは事実でしょう…。
しかしながら、実は本当の理由は、他の所にあるのです。
資格ビジネスは、バブル崩壊後、どんどん拡大を続けてきました。
まずは、既存の国家資格等の受験指導…etcの従来からあるビジネス。
それが、頭打ちになってくると、次は、新たな民間資格を創設し、自ら胴元になる団体等が林立してきました。
また、逆に、小泉首相の「構造改革・規制緩和」路線の影響で、独占業務を持つような大型の国家資格は、殆ど増えなくなりました。
そして、資格ビジネスにとってオイシク、多くの受験者が期待できるビジネス系の資格数は、膨れ上がりすぎ、飽和感が充満してきました。
このままでは、「資格ビジネス」は、ジリ貧になってしまいます!!
→そこで、いよいよ
「国際資格」の登場です。
「国際化の時代だから!、グローバルスタンダード、…etc」そうでなくても、「
国際」という言葉に弱く、バブル崩壊で自信をなくした日本人には、たまらない甘い囁きだったのです。
まずは、トップバッターのMBAブームを皮切りに、資格ビジネス業界を挙げた国際資格のオンパレードが展開されています。(古くからアメリカのインチキ大学博士号はありましたが…。)
(しかしながら、MBAも取得者が増えるに従いメッキが剥がれ、本家アメリカでもその有用性が問い直される傾向に有り、あのブームは今どこへ?といった感がありますね。)
いわゆる
「国際資格」について私見を述べさせていただくと、業務上必要な方、又は海外で、その資格の必要な仕事に就こうと考える方以外は、費用対効果を考えると取得の必要はないでしょう。(ここは日本ですから…。米国の資格は、日本ほど入り口規制はしないので、現実に取得する必要が生じた時に、取得することが十分可能ですし…。)
教育機関や資格コンサルタントといった「資格ビジネス」にかかわる側からは、キャリアアップ・高収入など夢のようなキャッチコピーが、語られます(資格取得をしてもらってナンボの商売ですから)が…。
はたして、国内にいて、業務上必要でもない方が、国際資格を取得して、期待しているプロフィットが得られるのか、甚だ疑わしいものです。
お金・時間は大事ですので、よーく考えましょう!
(まあ、お金も時間もある方が、自己啓発として取得することに、当然異論は有りませんが…。)
また、「国際資格」という呼び方も日本人の「国際」という言葉に弱いのを利用するかのようで…。実際は“資格ビジネス大国”「米国」の資格であることがほとんどです。それを敢えて「国際資格」などと呼ぶのも…。


- 2007/08/20(月) 12:56:46|
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